教員の本

カズオ・イシグロの世界

カズオ・イシグロの世界
岩田 託子(国際英語学部教授)他著

2017年度ノーベル文学賞受賞を機に高まる関心に応えるべく、かつてカズオ・イシグロを特集した『水声通信』2008年9・10月号が単行本となった。愛読者も多く、研究者も育つなかで、いっそうの受容・理解が日本においても進むことが期待される。所収の「映像にイシグロはなにを見るか」では、脚本執筆・制作者としての一面・映画化自作とのスタンスなど、作家活動初期からの映像界での営みを追い、イシグロの奥行きを示している。

水声社。2017年12月刊。216頁。本体2,000円+税

人工知能原理

人工知能原理
加納 政芳(中京大学工学部教授) ・山田 雅之(中京大学工学部教授)・遠藤 守(名古屋大学大学院情報学研究科准教授) 著

人工知能アルゴリズムの中でも、特に探索・ゲーム、機械学習、知識表現・セマンティックWeb技術に焦点を絞り、それらを平易に解説した最新の人工知能教科書。読者の理解を助けるため、実際のプログラミングコードも掲載した。

コロナ社。2017年12月15日刊。 232頁。 本体2,900円+税

Conceptual Shifts and Contextualized Practices in Education for Glocal Interaction

Conceptual Shifts and Contextualized Practices in Education for Glocal Interaction
James D'Angelo(国際英語学部教授)他著

言語学関連書籍出版において世界的に定評あるシンガポールのSpringer社より、「グローカル」教育について最先端の論考を集めた論集が出版された。英語教育や国際英語の枠組みから教育について実践的な考察がなされるとともに、その世界的意義について論じられている。ダンジェロ教授はあとがきを執筆し、各章で論じられた重要な問題点や共通点について総論を述べている。

Springer社。2017年12月1日刊。245頁。

カズオ・イシグロ読本―その深淵を暴く―

カズオ・イシグロ読本―その深淵を暴く―
岩田 託子(国際英語学部教授)他著

2017年度ノーベル文学賞を受賞し注目を浴びる作家へのガイドブックで、コラムや図版を駆使し、多方面からのアプローチを試みている。長崎生まれで5歳の時に父の仕事の関係で渡英し、現在は英国籍の作家であるが、多くの日本人は受賞に親近感を持った。この機会に編纂された手引き中、「『日の名残り』のあとのイシグロと映像」を、2010年代の映画やTVドラマの原作者としてイシグロに出会ったかたに、文学世界へ誘うべく執筆している。

宝島社。2017年12月8日刊。167頁。本体1,393円+税

乾燥疎開林に謎のチンパンジーを探して-タンザニアあちこち大作戦-

乾燥疎開林に謎のチンパンジーを探して-タンザニアあちこち大作戦-
小川 秀司(中京大学国際教養学部教授)著

東アフリカのタンザニアは、チンパンジー分布域の端に位置する。その中でも生息地の東限にあたるウガラ地域。そこには、長い乾季の終盤には川の水も干上がってしまう乾燥疎開林(サバンナ・ウッドランド)が広がっている。かつて人類が進化していった舞台の一つで、チンパンジーはどんな暮し方をして生き延びてきたのか。謎につつまれたチンパンジーを探してタンザニア各地を歩きまわった、笑いあり涙ありのフィールド・ワーク(現地調査)の記録。

ユニテ。2017年11月20日刊。349頁。本体2,500円+税

ゼロから学ぶ 改正・個人情報保護法

ゼロから学ぶ 改正・個人情報保護法
稲葉 一人(法務研究科教授・元判事・民事訴訟法担当) 著

2017年5月末に改正個人情報保護法が全面施行され、今回の改正ですべての企業が適用の対象となった。この法律を理解し、個人情報を適切に保護する体制を作り、個人情報を有効に使える条件を知ることは、情報化時代においてビジネスを展開するうえで必須の能力である。
本書では、改正個人情報保護法について、これまでは対象外であった企業等の方にも理解できるように基礎から解説している。

税務研究会出版局。2017年10月第1版第1刷刊。64頁。本体500円+税

ソシオロジー選書4 -文化・階級・卓越化

ソシオロジー選書4  -文化・階級・卓越化
トニー・ベネット 他著/森田 次朗(中京大学現代社会学部講師)・相澤 真一(中京大学現代社会学部准教授)他訳

「社会学の古典」であるピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』。原書の問題設定・理論・方法を批判的に継承し、質問紙調査とインタビューを組み合わせた社会調査によって、2000年代以降のイギリス社会の分析に応用したのが本書である。「格差」「分断」が叫ばれる日本社会の実情を実証的に分析するための道具立てとしても有用な一冊である。
なお、本書の解説論文を本学所属の訳者たちが学部紀要に執筆しているので、併せてご参照されたい。
https://nc.chukyo-u.ac.jp/gendaisyakai/kiyou/2017/2017_1101_03.pdf

青弓社。2017年10月26日刊。556頁。本体6,000円+税

『武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?』

『武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?』
矢部 謙介(経営学部教授) 著

経営コンサルタントとして様々な会社の立て直しに携わってきた筆者が、ビジネススクールでの教育経験を踏まえて、決算書を比例縮尺図に翻訳してビジネスモデルを読み解く方法、財務指標の使い方、粉飾などの見抜き方、戦略に合わせてKPI(業績評価指標)を設定・運用する方法などを、豊富な実例を交えて説明している。決算書の読み方からビジネスの現場において会計の数字を活用する方法までを学びたいビジネスパーソンに向けた、実戦的な解説書。

日本実業出版社。2017年11月1日刊。248頁。本体1,700円+税

The Routledge Handbook of English as a Lingua Franca

The Routledge Handbook of English as a Lingua Franca
James D'Angelo(国際英語学部教授)他著

言語学における主要な出版社の一つである、Routledge社から出版されたThe Routledge Handbook of English as a Lingua Francaは近年急速に発展しつつある新しい学問分野(English as a Lingua Franca)に関する包括的な論集であり、国際的に活躍する第一線の研究者が主要な理論や、重要概念などについて知見を述べている。ダンジェロ氏は The Status of ELF in Japanの章を執筆。

Routledge社。2017年8月29日刊。620頁。

特別支援教育

特別支援教育
杉江 修治(中京大学国際教養学部教授)・丸山 真名美 共編著

特別支援教育は今の日本で最も関心が高まってきている教育課題の一つである。2019年度に改定される教職科目でもこれが新たに導入されることが決まっている。本書は教職課程の学生向けに、特別支援教育の基本的理解を図ることをねらいとした。また、個別指導を中心としてきたこの教育の図式に、仲間と共に伸びる協同の要素を取り入れることを提言している。

一粒書房。2017年9月刊。96頁。本体900円+税