教員の本

自己メディアの社会学

自己メディアの社会学
加藤 晴明(現代社会学部教授)著

「メディアとは自己を仮託する文化装置である」という命題を掲げて、自己論とメディア論をクロスさせるかたちでインターネット社会を再解釈した意欲的試みである。電信、電話、ケータイ、ネットを対象にしながら、ネット社会の特長である〈自己語りの文化〉を、道具・遊戯・救済という著者独自の〈メディア行為の3元図式〉の視点から読み解いている。
リベルタ出版。2012年9月28日刊。254頁。税込2,730円

俳人 橋本鷄二

俳人 橋本鷄二
中村 雅樹(国際教養学部教授)著

本書は、戦後「ホトトギス」において活躍し、「鷹の鷄二」と呼ばれた橋本鷄二の評伝。俳句に殉じた一俳人の生き方を浮き彫りにし、戦後俳句史の一端を明らかにする。鷄二の生い立ち、高浜虚子をはじめ多くの俳人との交流、鷄二俳句の確立、『年輪』の創刊、四誌連合会の結成と解散などについて、資料に基づき詳細に論じられている。
本阿弥書店。2012年9月25日刊。384頁。税込3,500円

植民地
20世紀日本 帝国50年の興亡

植民地<br> 20世紀日本 帝国50年の興亡
浅野 豊美(国際教養学部教授)訳

1997年に出版され、日本での帝国史研究を支える一翼を担った本の新版での復刻。韓国との同時出版。訳者によるあとがき追補が付され、写真も新しいものに刷新。ピーティー教授は、アメリカで日本植民地史研究をリードしてきた人物、スタンフォードのフーバー研究所出身。帝国の起源と展開、植民地思想、政治・経済・社会的統合のあり方、統治構造、植民地在住の日本人と植民地の反応、そして総力戦が帝国に与えたインパクトが論じられている。
慈学社出版。2012年9月10日刊。384頁。税込3,990円

英国王のスピーチ

英国王のスピーチ

名作映画完全セリフ音声集 スクリーンプレイシリーズ162

都築 雅子(国際教養学部教授)監修

映画のセリフとト書き(英語)に、訳と語句の文法解説・背景説明などを加えたお馴染みのスクリーンプレイシリーズ。『英国王のスピーチ』は、アルバート王子(後のジョージ6世、現エリザベス女王の父)が吃音に苦しみながらも国民に信頼される国王へと成長していく様を描いた伝記映画で、アカデミー賞など、世界各国の賞を総なめにした。映画好き、英国好き、英語を勉強したい人にお薦めの一冊。
フォーイン スクリーンプレイ事業部。2012年9月3日刊。159頁。税込1,680円

病気をよせつけない
足をつくる

病気をよせつけない<br> 足をつくる
湯浅 景元(スポーツ科学部教授)著

病気をもたらす要因の1つは、運動不足である。運動不足の状態が続くと、筋力や持久力などの行動体力だけではなく、病気に対する抵抗力である防衛体力も衰えてくる。運動不足になる主な原因は、足の衰えである。足が衰えると運動を十分に行えなくなる。その結果、足はいっそう衰える。いつしか悪循環に陥る。この本は、病気をよせつけないための足をつくる運動や心がけを紹介している。
草思社。2012年8月30日刊。222頁。税込1,470円

身体・性・生
個人の尊重とジェンダー

身体・性・生<br> 個人の尊重とジェンダー
來田 享子(スポーツ科学部教授)他編著

身体や性に関する事柄は、ごく個人的なものであるが、それについての判断や決定は、ジェンダー・バイアスや家族関係、社会制度との関係を切り離しにくい。 医学、法学、教育学、スポーツ科学、社会学等の専門家達が、個人の人格の尊重 という観点から、医療・科学技術の発展の中で揺れ動く身体、性、生に関わる新 しい権利や選択の内容にアプローチした論文集。
尚学社。2012年8月20日刊。302頁。税込4,200円

改革の合いことばは協同

改革の合いことばは協同

協同学習叢書10

杉江 修治(国際教養学部教授)著

日本各地で始まってきている授業改善の試みでは、そのほぼすべてで「学び合い」が組み入れられている。ただ、手法としての学び合いでは、今めざすべき学力の達成は難しい。そういった活動の基盤に「協同」の原理が置かれなくてはいけない。本書は、授業改善にとどまらず、地域ぐるみの教育改革に協同原理を導入する挑戦を続けてきた著者の、基本的な考え方を、実践に即して示したものである。
一粒書房。2012年8月18日刊。144頁。税込1,400円

子どもの確かな学びづくりと教師の協同

子どもの確かな学びづくりと教師の協同

協同教育実践資料17

杉江 修治(国際教養学部教授)他監修

本書は、2011年度の犬山市授業研究会に集う教師たちの、1年間の7つの研究的実践の成果をまとめたものである。多数の若手教師に、経験ある指導教員を配した、グループ単位での実践づくりは、急増する若手教師の成長支援の機会として極めて有意義である。監修者は本学国際教養学部教授。犬山市授業研究会に2001年度から助言を行ってきた。
一粒書房。2012年8月18日刊。227頁。税込2,625円

授業の教育心理学

授業の教育心理学
杉江 修治(国際教養学部教授)著

本書は教育心理学の研究成果をもとに、より良い授業づくりの道筋をまとめたものである。授業改善は教師の「指導」よりは、学習者の「学び」の追求が前提として大事であり、単なる技法の集積ではなし得ない。改善の意図とそれに合致した理論理解が必要である。ここでは、教職課程で学ぶ学生の学習も視野に入れた記述に心がけている。
一粒書房。2012年8月6日刊。153頁。税込1,500円

物語のいでき始めのおや―『竹取物語』入門

物語のいでき始めのおや―『竹取物語』入門
原 國人 (文学部教授)著

『源氏物語』において「物語のいでき始めのおや」とされた『竹取物語』は、その成立をはじめ多くの謎につつまれている。著者は平安時代初めの時代状況を見据えながら、本文の特徴である言語遊戯に着目し、主題・成立の実際に迫り、賀茂氏のかかわりに到達する。読みやすい文体で書かれた恰好の古典文学の入門書。
新典社。2012年7月14日刊。158頁。税込1,155円