教員の本
ヴィクトリア朝の都市化と放浪者たち
武井 暁子(国際教養学部教授)他編著、栂 正行(国際教養学部教授) 他著
本書は、2011年度日本英文学会シンポジウム第3部門「ヴィクトリア朝イングランドの都市化と放浪者たち」での論考を執筆者を新たに加え、発展させたものであり、ヴィクトリア朝の人々の生に変容を迫った都市化という現象を包括的な視点で捉えている。編者武井暁子による序章「産業革命の大いなる遺産と自由への渇望」と第4章「崩壊するウェセックス―ハーディ作品における農業不況と流浪の民」、斯界の先達東京都立大学名誉教授小池滋氏の特別寄稿「レールが伝える怪物の引張り力―都市と鉄道の関係」、および栂正行の第5章「奴隷船に代わる船―十九世紀インド人年季契約労働者の、とあるデスティネーション」など、ユニークな論考を収録。学術書としてのみならず読み物としても、読者の視野拡大に寄与しうる好著。本書刊行にあたり、平成25年度科学研究費補助金研究成果公開促進費(学術図書 課題番号255043)の助成を受けた。
音羽書房鶴見書店。2013年9月10日刊。292頁。税込3,150円
勉強と居場所
学校と家族の日韓比較
松田 茂樹(現代社会学部教授)他編集
日韓の中高生に対する数度の調査から、両国の学校生活と家庭生活を分析。日本は、家庭の階層によって生徒の学習意欲・進学意欲に大きな格差が生じている。一方、韓国の生徒の学習意欲は総じて高く、階層による差は小さい。勉強、進学意欲、親子関係、友人関係など多角的な分析により、学習を支える学校と家庭の具体的要因を明らかにする。
勁草書房。2013年9月15日刊。204頁。税込3,255円
ピア・ラーニング
学びあいの心理学
杉江 修治(国際教養学部教授)他著
学校教育の現場では授業改善の動きが急であり、特に学び合いの導入への関心が高い。本書は、子どもが他者とかかわって学ぶことに意義と効果を高める方法について、教育心理学から提言を図ったものである。このような原理からの理解は、実践化に際しての応用範囲の広いものとなる。
金子書房。2013年9月10日刊。243頁。税込2,730円
伝え合い高め合う城東の子
成就感を味わい、自己効力感を高める活動の充実
協同教育実践資料19
杉江 修治(国際教養学部教授)他監修
本書は、犬山市立城東小学校の、この4年間の実践の成果をまとめたものである。協同学習で提唱されている「単元見通し学習」を理論的基礎に置き、若手教師の成長支援も同時に図る研究体制の中で確立された実践が紹介されている。監修者は本学国際教養学部教授。城東小学校に2001年度から助言を行ってきた。
一粒書房。2013年8月3日刊。197頁。税込2,625円
キラキラ輝いてともに学び合う子どもの育成
学習形態・話し合いの工夫
協同教育実践資料18
杉江 修治(国際教養学部教授)他監修
板橋区立蓮根第二小学校では、協同原理を基本に置いた授業づくりに、4年にわたって挑戦してきた。本書はその2012年度までの成果をまとめたものである。教師集団による授業づくりの基本の共通理解をすすめた後、さらに効果を高めるべく、工夫の共有化を図っている。実践者に役立つ資料が豊富な内容となっている。
一粒書房。2013年6月26日刊。106頁。税込2,625円
若さを保つ51章
湯浅 景元(スポーツ科学部教授)著
「若さを保つ」ことと「若返る」ことは違う。若さを保つのは、人間に備わった成長・老化という自然の流れを損なうことなく、健康を保つことである。しかし「若返る」のは自然の流れに逆行することで、決して好ましいとは考えられない。本書は、運動を中心に「若さを保つ」ための具体的な方法とその理論について紹介している。
中日新聞社。2013年6月21日刊。125頁。税込1,365円
運動が得意になる! 体育のコツ絵事典
かけっこから鉄ぼう・球技まで
湯浅 景元(スポーツ科学部教授)監修
小学生、小学校教員、保護者に向けの本である。小学生が体育の授業を通して学んでほしい、運動のコツや体の動きの仕組みを解説している。「スポーツの名前のなぞ」などのスポーツに関わる話題や、水分補給やけが防止などの「安全対策」ついても紹介している。なお、この本の担当編集者は、本学体育学部の出身者である。
PHP研究所。2013年5月21日刊。63頁。税込2,940円
元気な体をつくる!かんたんタオル体操
湯浅 景元(スポーツ科学部教授)著
体の柔らかさは、スポーツにとっても日々の生活にとっても必要な体力の1つである。体の柔らかさの必要性については広く知られるようになっている。しかし、柔かいだけでは過伸展で関節や筋を痛めることがある。柔かさと強さの両方が必要である。この本は、タオルを利用した柔かさと強さを高める体操を紹介している。
双葉社。2013年5月19日刊。111頁。税込1,260円
少子化論
なぜまだ結婚・出産しやすい国にならないのか
松田 茂樹(現代社会学部教授)著
少子化対策がはじまって約20年が経つが、わが国の出生率は依然として低いままである。果たして、これまでの少子化対策は効果的であったのか。家族や若年雇用の変容、父親の育児参加、都市と地方の差異、少子化の国際比較など多角的な視点の分析を通して、通説を見直し、わが国の少子化とその対策を最も総合的に論じる書。少子化克服への道を提言する。
勁草書房。2013年4月1日刊。246頁。税込2,940円
刑事法の基礎【第2版】
平川 宗信(法学部教授)著
約4年前に公刊された本書の改訂版。刑法・刑事訴訟法等の刑事法の原理・原則を歴史・思想に遡って解明し、現在の立法・解釈問題に展開している。初版以後の法改正や裁判員裁判の開始等の変化を取り込み、さらに充実した。初学者から法科大学院生までが刑事法をより深く理解するためのテキストに好適である。
有斐閣。2013年3月30日刊。348頁。税込3,045円