教員の本

教育心理学

教育心理学
杉江 修治(教養部教授)編

本書は、日本教師教育学会が「教師教育テキストシリーズ」として企画した第4巻である。
新しい時代の教師に必要な資質養成に関する学会の議論を踏まえ、教育心理学の理論的リーダーを執筆陣にそろえたこのテキスト出版の意義は大きい。
子どもが変わることにこそ教育の意義があるという学習論を一貫させた内容となっている。
学文社。2007年4月20日刊。180頁。本体1,800円。

英語文学事典

英語文学事典
岩田 託子(国際英語学部教授)他執筆

英語で書かれた文学作品と文学理解に重要な批評用語や背景など約1700項目の解説が楽しく「読める」事典になった。
作家項目には「生涯と作品」「特質と評価」のみならず、「エピソード」「名言・名句」が紹介され、作家の人となりを髣髴させる。
共著者は、J・ウィンターソン、G・ダレルなど現代作家やパンチ人形芝居など15項目を担当。
ミネルヴァ書房。2007年4月20日刊。829頁。本体4,500円。

計量経済学

計量経済学
山田 光男(経済学部教授)他編

本書は、計量経済モデルの考え方とその作成手順、および経済予測の基礎的な理解を目指したものである。最小限のパソコン知識をもつ読者に、付属エクセル・マクロソフトにより、計量経済モデル分析を体験しながら習得できるよう、数式の利用を最小限に抑え、いわばΣ記号を使用しないテキストを目指す。学部学生や経済予測に関心のある社会人向けの好書。
勁草書房。2007年4月20日刊。262頁。本体3,200円。

日本経済インフレの危機

日本経済インフレの危機
水谷 研治(経済学部、MBAビジネス・イノベーション研究科教授)著

デフレで売れないために、ものが作れなくなっている。やがては日本ももの不足になり、デフレ社会からインフレ社会へと転換するであろう。その結果、国民は悲惨な生活を強いられる。それは10年以上先のことである。しかし、それを念頭において、もの作りを大切にし、企業を支援していかなければならない。長期的な観点で警告し、対策を示唆する本である。
東洋経済新報社。2007年4月19日刊。219頁。本体1,500円。

全国学力テスト、参加しません。

全国学力テスト、参加しません。
犬山市教育委員会編

本書は、独自の、しかしきわめてまっとうな教育改革を進める犬山市が、なぜ全国唯一、公立でありながら、2007年度に文科省が実施しようとする学力テストを許否するのかを論じた本である。
犬山の充実した実践風景を解説した著者の1人杉江氏は本学教養部教授。犬山市の授業改善に長くかかわってきている。
明石書店。2007年4月1日刊。165頁。本体1,200円。

アジア・太平洋地域における「ものの考え方」

アジア・太平洋地域における「ものの考え方」

中京大学社会科学研究所叢書20

編集代表 吉川 仁(教養部教授)

本書は、西洋的発想とは異なるアジア・太平洋地域の「ものの考え方」に焦点をあてた論稿8篇からなっている。
西洋的発想は、進歩とともに、環境問題や核開発などグローバルな視野からの解決を迫られている多くの問題を生み出してきた。そのような問題を解決し考えていくためのイメージをもとうとする読者にとっては示唆に富む書物である。
成文堂。2007年3月31日刊。220頁。

居住福祉と生活資本の構築―社会と暮らしをつむぐ居住―

居住福祉と生活資本の構築―社会と暮らしをつむぐ居住―

中京大学総合政策研究叢書No.1

岡本 祥浩(総合政策学部教授)著

生活を支える「生活資本」を適切な居住空間、世帯の負担やライフステージへの適合性、社会や居住空間形成への参画として位置付け、産業・都市・人口・住宅の構造、世帯・暮らし方の変化等の事象が「生活資本」にどのような影響を与えて問題化しているのかを探り、真の生活水準向上の方途を検討している。現代社会の細分化から生じる問題に一石を投じている。
総合政策学部。2007年3月31日刊。231頁。

新編 安城市史 1 通史編 原始・古代・中世

新編 安城市史 1 通史編 原始・古代・中世
村岡 幹生(教養部准教授)他著

本書は、全11巻に及ぶ同市史の一冊である。
安城は家康の先祖松平家4~6代の拠点であり、本書でもこの時期の叙述に詳しい。また、家康以前に三河をほぼ統一したとされる7代清康に関し、これを疑う新説を提示している。さらに、家康を苦しめた三河一向一揆についても、新説が示されるなど、一般向けでありながら、松平氏の研究上、興味尽きない内容である。
安城市。2007年3月31日刊。833頁。税込2,000円。

再帰的近代社会

再帰的近代社会

リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性

中西 眞知子(経営学部准教授)著

現代社会はどこへ向かうのか?本書は再帰性(リフレクシィビティ)に注目して「再帰的近代社会」として現代社会を論じたものである。
リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性など、具体例を織り混ぜて語る。さらに、実証研究による多彩な素材と解釈を提示しながら再帰性がもたらす不確実性に焦点を当て、近代化の行く末を探る。
ナカニシヤ出版。2007年3月30日刊。212頁。本体2,600円。

ドイツの中の《デンマーク人》

ドイツの中の《デンマーク人》

―ニュダールとデンマーク系少数者教育―

小峰 総一郎(教養部教授)著

ワイマール時代のベルリン教育長イェンス・ニュダールは、大戦後、英軍占領下のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州に赴いた。デンマーク系少数者が、同州北部のデンマーク合邦と、デンマーク語公立学校の存続を求めていたのだ。
ニュダールは「キール会談」を主導、彼らの教育権を実現したのである(「キール宣言」、1949年9月26日)。
学文社。2007年3月30日刊。239頁。本体3,200円。