教員の本
句集 解纜

中村 雅樹(教養部教授)著
著者の第二句集。1997年から2006年までの333句を収める。
「深い呼吸とともに、放胆に繊細に、鋭い俳句世界を描きだした充実の新句集」と帯に記されている。季語の本意を踏まえた、奥行きと余白感のある句が特徴である。
饒舌気味の句が量産される今日の俳壇に、一石を投じる静謐な一書。俳句を愛する人に薦めたい。「百鳥」「晨」同人。俳人協会会員。
花神社。2007年7月15日刊。208頁。本体2,600円。
スポーツルールの論理

守能 信次(体育学研究科長、体育学部教授)著
じゃんけんゲームのルールから説き起こし、現代社会でスポーツが担う記号的な意味に触れながら、スポーツルールの機能と構造について法学的な観点から明らかにした理論の書。現代スポーツを考える際に不可欠となる社会科学的認識と論理が提示され、それは将来、スポーツルールの中身がどう書き換えられようとも通用する、普遍的な性格のものである。
大修館書店。2007年7月10日刊。237頁。税込1,785円。
と学会レポート オタク的中国学入門

明木 茂夫(文学部教授)著
中国語訳「電車男」、社会科地図帳のトンデモ地名、中国のUFO、漢字の起源をめぐる珍説、コンピュータと漢字など…。中国学の研究者がオタク的資料をオタク的に斬る、中国学の入門講義。
内容の多くは本学の授業における著者の講義録を発展させたもの。タイトルは軽妙だが、オカルトを懐疑的に検証したり、社会問題を論じたり、といった一面も。
楽工社。2007年7月9日刊。266頁。本体1,680円。
ヨーロッパ読本 イギリス

岩田 託子(国際英語学部教授)共編著
永い歴史をもつ立憲君主制の島国として日本にはなじみの国イギリスに包括的に迫る一冊。「ティータイムにコーヒーを飲み、フィッシュアンドチップスよりピザが好き」なイギリス人の、過去から継承した伝統と現代での変貌をとらえる。
編著者は国際英語学部教授。本学で15年にわたり「イギリス文化」を講じてきた経験をもとに、イギリス的なるものをうらづけようと試みている。
河出書房新社。2007年5月30日刊。297頁。本体2,000円。
学ぶ意欲を育てる人間関係づくり―動機づけの教育心理学

杉江 修治(教養部教授)他著
新しい時代に求められる学力の重要な側面として学習意欲があげられる。教育心理学では動機づけ研究としてこの領域の検討をしてきている。
本書は人間関係という本来最も重要な動機づけ要因を組織的に取り上げた画期的な編集がなされている。著者の一人杉江氏は教養部教授。協同学習の動機づけ機能を論じている。
金子書房。2007年5月25日刊。200頁。本体2,400円。
スポーツ六法 2007

守能 信次(体育学部教授、体育学研究科長)他編
総合スポーツ法令集の改訂新版。スポーツに関する法令や通知通達に加えて、日本学生野球憲章やJリーグ規約など、スポーツを管理する団体や組織の規則・規約等も網羅。特に2007年版はカラー印刷を導入し、さらに「ひとくちメモ」を追加して分かり易さを図った。2006年に新たに制定されたフランスのスポーツ憲章も初邦訳して掲載。体育の学生や指導者に必携の書である。
信山社。2007年4月20日刊。970頁。本体3,000円。
教育心理学

杉江 修治(教養部教授)編
本書は、日本教師教育学会が「教師教育テキストシリーズ」として企画した第4巻である。
新しい時代の教師に必要な資質養成に関する学会の議論を踏まえ、教育心理学の理論的リーダーを執筆陣にそろえたこのテキスト出版の意義は大きい。
子どもが変わることにこそ教育の意義があるという学習論を一貫させた内容となっている。
学文社。2007年4月20日刊。180頁。本体1,800円。
英語文学事典

岩田 託子(国際英語学部教授)他執筆
英語で書かれた文学作品と文学理解に重要な批評用語や背景など約1700項目の解説が楽しく「読める」事典になった。
作家項目には「生涯と作品」「特質と評価」のみならず、「エピソード」「名言・名句」が紹介され、作家の人となりを髣髴させる。
共著者は、J・ウィンターソン、G・ダレルなど現代作家やパンチ人形芝居など15項目を担当。
ミネルヴァ書房。2007年4月20日刊。829頁。本体4,500円。
計量経済学

山田 光男(経済学部教授)他編
本書は、計量経済モデルの考え方とその作成手順、および経済予測の基礎的な理解を目指したものである。最小限のパソコン知識をもつ読者に、付属エクセル・マクロソフトにより、計量経済モデル分析を体験しながら習得できるよう、数式の利用を最小限に抑え、いわばΣ記号を使用しないテキストを目指す。学部学生や経済予測に関心のある社会人向けの好書。
勁草書房。2007年4月20日刊。262頁。本体3,200円。
日本経済インフレの危機

水谷 研治(経済学部、MBAビジネス・イノベーション研究科教授)著
デフレで売れないために、ものが作れなくなっている。やがては日本ももの不足になり、デフレ社会からインフレ社会へと転換するであろう。その結果、国民は悲惨な生活を強いられる。それは10年以上先のことである。しかし、それを念頭において、もの作りを大切にし、企業を支援していかなければならない。長期的な観点で警告し、対策を示唆する本である。
東洋経済新報社。2007年4月19日刊。219頁。本体1,500円。