教員の本

アジア・太平洋地域における「ものの考え方」

アジア・太平洋地域における「ものの考え方」

中京大学社会科学研究所叢書20

編集代表 吉川 仁(教養部教授)

本書は、西洋的発想とは異なるアジア・太平洋地域の「ものの考え方」に焦点をあてた論稿8篇からなっている。
西洋的発想は、進歩とともに、環境問題や核開発などグローバルな視野からの解決を迫られている多くの問題を生み出してきた。そのような問題を解決し考えていくためのイメージをもとうとする読者にとっては示唆に富む書物である。
成文堂。2007年3月31日刊。220頁。

居住福祉と生活資本の構築―社会と暮らしをつむぐ居住―

居住福祉と生活資本の構築―社会と暮らしをつむぐ居住―

中京大学総合政策研究叢書No.1

岡本 祥浩(総合政策学部教授)著

生活を支える「生活資本」を適切な居住空間、世帯の負担やライフステージへの適合性、社会や居住空間形成への参画として位置付け、産業・都市・人口・住宅の構造、世帯・暮らし方の変化等の事象が「生活資本」にどのような影響を与えて問題化しているのかを探り、真の生活水準向上の方途を検討している。現代社会の細分化から生じる問題に一石を投じている。
総合政策学部。2007年3月31日刊。231頁。

新編 安城市史 1 通史編 原始・古代・中世

新編 安城市史 1 通史編 原始・古代・中世
村岡 幹生(教養部准教授)他著

本書は、全11巻に及ぶ同市史の一冊である。
安城は家康の先祖松平家4~6代の拠点であり、本書でもこの時期の叙述に詳しい。また、家康以前に三河をほぼ統一したとされる7代清康に関し、これを疑う新説を提示している。さらに、家康を苦しめた三河一向一揆についても、新説が示されるなど、一般向けでありながら、松平氏の研究上、興味尽きない内容である。
安城市。2007年3月31日刊。833頁。税込2,000円。

再帰的近代社会

再帰的近代社会

リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性

中西 眞知子(経営学部准教授)著

現代社会はどこへ向かうのか?本書は再帰性(リフレクシィビティ)に注目して「再帰的近代社会」として現代社会を論じたものである。
リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性など、具体例を織り混ぜて語る。さらに、実証研究による多彩な素材と解釈を提示しながら再帰性がもたらす不確実性に焦点を当て、近代化の行く末を探る。
ナカニシヤ出版。2007年3月30日刊。212頁。本体2,600円。

ドイツの中の《デンマーク人》

ドイツの中の《デンマーク人》

―ニュダールとデンマーク系少数者教育―

小峰 総一郎(教養部教授)著

ワイマール時代のベルリン教育長イェンス・ニュダールは、大戦後、英軍占領下のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州に赴いた。デンマーク系少数者が、同州北部のデンマーク合邦と、デンマーク語公立学校の存続を求めていたのだ。
ニュダールは「キール会談」を主導、彼らの教育権を実現したのである(「キール宣言」、1949年9月26日)。
学文社。2007年3月30日刊。239頁。本体3,200円。

映画でわかるアメリカ文化入門

映画でわかるアメリカ文化入門
奥村 みさ(国際英語学部教授)・板倉厳一郎(教養部准教授)他共著

映画は製作者の価値観や理想そして時代精神を映し出す。映画はフィクションとはいえ、その意味ではアメリカ映画はアメリカ文化を「正しく」反映しているといえよう。
本書は15のトピックについてアメリカ映画30作品を取り上げ、わかりやすく解説している。アメリカ文化研究の入門テキストとして最適。
松柏社。2007年3月20日刊。253頁。税込2,520円。

公共経済学研究

公共経済学研究

中京大学経済学部付属経済研究所研究叢書第13輯

白井 正敏(経済学部教授)・大住 康之(経済学部教授)・釜田 公良(経済学部教授)編著

本書は、中京大学経済学部付属経済研究所の公共経済学研究シリーズの4冊目の研究成果である。この間、我が国を巡る経済は急速に変容し、政策の再検討が求められた。本書に収められた12編の論文は、出生率、社会保障、年金、教育、失業、分配、規制緩和、構造改革等多岐にわたる諸問題に対する政策解明を進めた時宜にかなう内容である。
勁草書房。2007年3月20日刊。212頁。本体4,000円。

文献解説 ヨーロッパの成立と発展

文献解説 ヨーロッパの成立と発展
多田 哲(教養部准教授)他著

『文献解説 ヨーロッパの成立』(1981年)の大幅な改訂版が本書である。ヨーロッパ前近代史を学ぼうとする大学生、また高校や大学で教育に携わる教員向けの概説書であるが、そのユニークさは、研究史を概観できる文献解説を備えている点である。古代中心の旧版に対して、対象とする時代が中世・ルネサンスにまで拡大され、文献解説も一新された。
南窓社。2007年3月20日刊。270頁。本体3,200円。

日系企業の中国市場販売

日系企業の中国市場販売

中京大学大学院ビジネス・イノベーションシリーズ

古田 秋太郎(ビジネス・イノベーション研究科教授)著

日本企業の中国事業は、曲がり角にさしかかっている。「中国でモノをつくって、中国で売る」という本格的中国事業に乗り出している。アンケート、ヒアリング調査を実施して事実結果を分析しながら、その戦略と戦術の特徴を明らかにした。また、中国市場販売で成功するための根本条件として、経営現地化のあり方を指し示した。
税務経理協会。2007年3月15日刊。207頁。

楽は楽なりⅡ―中国音楽論集 古楽の復元

楽は楽なりⅡ―中国音楽論集 古楽の復元
明木 茂夫(文学部教授)主編

『楽は楽なり 中国音楽論集』の続編。今回のテーマは「古楽の復元」である。幻の古楽器「箜篌」(くご)の復元、中国の「古琴」の奏法と古楽譜、先秦時代の詩経の音楽、南宋の文人歌曲、元代の戯曲音楽、明清時代の俗曲などを巡って、古代中国の「音」を蘇らせようとする論考を集めた。なお書名は、音楽の「楽」は「楽しい」にも通ずる、という『礼記』のことば。
文化科学研究所。2007年3月12日刊。331頁。