教員の本
再帰的近代社会
リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性
中西 眞知子(経営学部准教授)著
現代社会はどこへ向かうのか?本書は再帰性(リフレクシィビティ)に注目して「再帰的近代社会」として現代社会を論じたものである。
リフレクシィブに変化するアイデンティティや感性、市場と公共性など、具体例を織り混ぜて語る。さらに、実証研究による多彩な素材と解釈を提示しながら再帰性がもたらす不確実性に焦点を当て、近代化の行く末を探る。
ナカニシヤ出版。2007年3月30日刊。212頁。本体2,600円。
ドイツの中の《デンマーク人》
―ニュダールとデンマーク系少数者教育―
小峰 総一郎(教養部教授)著
ワイマール時代のベルリン教育長イェンス・ニュダールは、大戦後、英軍占領下のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州に赴いた。デンマーク系少数者が、同州北部のデンマーク合邦と、デンマーク語公立学校の存続を求めていたのだ。
ニュダールは「キール会談」を主導、彼らの教育権を実現したのである(「キール宣言」、1949年9月26日)。
学文社。2007年3月30日刊。239頁。本体3,200円。
映画でわかるアメリカ文化入門
奥村 みさ(国際英語学部教授)・板倉厳一郎(教養部准教授)他共著
映画は製作者の価値観や理想そして時代精神を映し出す。映画はフィクションとはいえ、その意味ではアメリカ映画はアメリカ文化を「正しく」反映しているといえよう。
本書は15のトピックについてアメリカ映画30作品を取り上げ、わかりやすく解説している。アメリカ文化研究の入門テキストとして最適。
松柏社。2007年3月20日刊。253頁。税込2,520円。
公共経済学研究
中京大学経済学部付属経済研究所研究叢書第13輯
白井 正敏(経済学部教授)・大住 康之(経済学部教授)・釜田 公良(経済学部教授)編著
本書は、中京大学経済学部付属経済研究所の公共経済学研究シリーズの4冊目の研究成果である。この間、我が国を巡る経済は急速に変容し、政策の再検討が求められた。本書に収められた12編の論文は、出生率、社会保障、年金、教育、失業、分配、規制緩和、構造改革等多岐にわたる諸問題に対する政策解明を進めた時宜にかなう内容である。
勁草書房。2007年3月20日刊。212頁。本体4,000円。
文献解説 ヨーロッパの成立と発展
多田 哲(教養部准教授)他著
『文献解説 ヨーロッパの成立』(1981年)の大幅な改訂版が本書である。ヨーロッパ前近代史を学ぼうとする大学生、また高校や大学で教育に携わる教員向けの概説書であるが、そのユニークさは、研究史を概観できる文献解説を備えている点である。古代中心の旧版に対して、対象とする時代が中世・ルネサンスにまで拡大され、文献解説も一新された。
南窓社。2007年3月20日刊。270頁。本体3,200円。
日系企業の中国市場販売
中京大学大学院ビジネス・イノベーションシリーズ
古田 秋太郎(ビジネス・イノベーション研究科教授)著
日本企業の中国事業は、曲がり角にさしかかっている。「中国でモノをつくって、中国で売る」という本格的中国事業に乗り出している。アンケート、ヒアリング調査を実施して事実結果を分析しながら、その戦略と戦術の特徴を明らかにした。また、中国市場販売で成功するための根本条件として、経営現地化のあり方を指し示した。
税務経理協会。2007年3月15日刊。207頁。
楽は楽なりⅡ―中国音楽論集 古楽の復元
明木 茂夫(文学部教授)主編
『楽は楽なり 中国音楽論集』の続編。今回のテーマは「古楽の復元」である。幻の古楽器「箜篌」(くご)の復元、中国の「古琴」の奏法と古楽譜、先秦時代の詩経の音楽、南宋の文人歌曲、元代の戯曲音楽、明清時代の俗曲などを巡って、古代中国の「音」を蘇らせようとする論考を集めた。なお書名は、音楽の「楽」は「楽しい」にも通ずる、という『礼記』のことば。
文化科学研究所。2007年3月12日刊。331頁。
東アジア経済の連関構造の計量分析
中京大学経済学研究叢書第15輯
山田 光男(経済学部教授)著
本書は、近年東アジア地域の諸国が貿易や直接投資を通じた相互依存関係を強めながら発展してきたことを、貿易連関分析、国際産業連関分析、および多部門多地域計量経済モデル分析の枠組みを用いて実証的に検証しようとするものである。
さらに経済発展はエネルギー・環境問題とも関係する。本書では技術移転と地球環境問題についても論じられている。
経済学部。2007年3月10日刊。283頁。
Business Anthropology:'Glocal' Management
村山 元英(経営学部教授)著
英文『ビジネス人類学―グローカル経営論』は、中京大学経営学部・経営研究双書として刊行。日本発の経営学を世界へ紹介し、中京大学のグローバルな学術貢献への試み。経営の中の文化探求と戦略的経営の再構築が、経営人類学となる。「企業と行政と社会」の“国際化と地域化の融合の論理”を企業文化論的に探求した。身体的一元化の国際アジア学の理論モデルを提唱。
経営学部。2007年2月28日刊。259頁。
哲学の道具箱
ジュリアン・バッジーニ、ピーター・フォスル著
長滝 祥司(教養部教授)他訳
本書は、すぐれた論証を構成するには何が大切かという問題意識から編まれた、カジュアルなスタイルの哲学用語集。誰もが何となく使ってる「偶然と必然」や「客観的と主観的」から、専門家以外には見落とされがちな「現象を救う」や「タイプとトークン」など、ユニークで斬新な項目からなる。洗練された議論の仕掛けに親しむための最適の入門書である。
共立出版。2007年2月25日刊。222頁。本体2,500円。