教員の本

タロット―その歴史・意味・読解法

タロット―その歴史・意味・読解法

(新装版)

アルフレッド・ダグラス著

栂 正行(教養部教授)訳
本書はトランプの先祖にして、トランプとは別の数奇な運命をたどったタロットカードの全体像を平易に解説。タロットは遊戯や占いの道具として流布したばかりでなく、画家や作家を刺激し、その創作活動を助けてきたイタロ・カルヴィーノの『宿命の交わる城』はその好例。本書日本語版は10年前の出版。本格的解説書として広く受け入れられ、この度の新装版発行となる。
河出書房新社。2005年2月28日刊。243頁。本体価格2,900円。

戦略と経営―経営者開発論―

戦略と経営―経営者開発論―

中京大学経営研究双書No.22

村山 元英(経営学部教授)著

本書は、経営者視点を重視した超越戦略論である。経営者の寿命は、その者の“哲学と生き様”で測れる。哲学が戦略で表出する。だが、ごまかしの戦略の人物と会社は危機管理に迫られる。本書の「戦略と哲学」の“絆の科学”の主張は、最終的には経営者や指導者の自己経営に向けた危機管理学であり、「正当性」の死生観からのグローバル企業活動と経営者開発論である。
経営学部。2005年2月10日刊。408頁。

株式会社新論―コーポレート・ガバナンス序説―

株式会社新論―コーポレート・ガバナンス序説―

中京大学経営研究双書No.23

中條 秀治(経営学部教授)著

株式会社は誰のものか?会社は誰のものでもなく、「会社それ自体」として存在する。株式会社の論理は人間存在を超える「団体」の論理であり、人間そのものには還元できない。株式会社は永遠性を組み込まれた「社会的実在」であるが故に、不祥事には法人実在説に立って「会社それ自体」を罰し、ときに「死を与える」発想が必要となる。
経営学部。2005年2月10日刊。227頁。

Applied Developmental Psychology: Theory, Practice, and Research from Japan

Applied Developmental Psychology: Theory, Practice, and Research from Japan
杉江 修治(教養部教授)他著

本書は、日本の発達心理学の近年の展開、すなわち、その研究関心の現実的場面への広がりと共に、方法的にも、質的研究、観察研究、縦断的研究へと変化してきていることを踏まえて、現代的トピックスを扱った16の日本の実証研究を紹介したものである。珠算教育と算数学習への動機づけに関する縦断的研究を、本書の編者David Shwalb氏らと共同して担当した。
Information Age Publishing刊。353頁。価格 ペーパーバック、34ドル95セント、ハードカバー、69ドル95セント。

客観訴訟の法理

客観訴訟の法理
山岸 敬子(法科大学院教授)著

本書は、「客観訴訟に関する包括的研究」(塩野宏『行政法Ⅱ』)である。主観訴訟が私益の救済を図るのに対し、客観訴訟は公益を保護する。
本書は、「法曹」653号の紹介によれば、環境・消費者等の問題をめぐる「近時の議論において重要な視点を提供するものであり」、「将来に向けてますますその価値を増すのであろう注目すべき一書である」。
勁草書房。2004年12月15日刊。272頁。本体価格3,400円。