教員の本
カラダと健康 その「常識」は非常識
湯浅 景元(体育学部教授)著
スポーツ指導者の中には、誤った知識に基づいてスポーツを指導している人がまだ多くいる。その結果、スポーツを実施している子どもたちに重大な障害を起こさせる事故が起きている。スポーツ指導で見られる代表的な誤った考え方を取り上げ、誤解されている内容を明らかにし、これまでに報告されている研究に基づき正しいと考えられる知識を紹介している。
日本文芸社。2007年9月30日刊。207頁。本体1,200円。
現代国際貿易の諸問題―環境,対外援助,国際間要素移動と不完全競争―
中京大学経済学部付属経済研究所研究叢書第14輯
近藤 健児(経済学部教授)他編著
本書は国際貿易理論が課題とする近年の重要トピックスについての16編からなる論文集である。
執筆者はすべて名古屋大学高等研究院多和田眞教授の学恩を受けた者たちであり、環境、対外援助、国際間要素移動、不完全競争など、多和田教授の幅広い学問的貢献にふさわしく、多岐にわたるテーマが扱われている。
経済研究所。2007年9月25日刊。239頁。
子育てする魚たち―性役割の起源を探る
桑村 哲生(教養部教授)著
哺乳類では母親が、鳥類では両親が協力して子育てする種が多いのに対して、魚類では父親が担当する種が多い。なぜだろうか。本書では魚類にみられる様々な子育ての方法と社会・配偶システムを紹介しつつ、それらが性役割とどのように関わっているのかを、進化理論を踏まえて検討している。『魚の子育てと社会』(1988年、海鳴社刊)の新装改訂版。
海游舎。2007年8月25日刊。166頁。本体1,600円。
図解 本当はすごい「ラジオ体操」健康法
湯浅 景元(体育学部教授)著
体力や健康を維持増進するためには、運動を継続して実施することが必要である。しかも、その運動は全身の筋肉を活動させるものが好ましい。日本人になじみの深い「ラジオ体操」は、ほぼ全身の筋肉を活動させる運動である。本書では、ラジオ体操の効用を説明するとともに、ラジオ体操の効果をより高めるための補助運動についても紹介している。
中経出版。2007年7月25日刊。126頁。本体1,200円。
宣教師ニコライの全日記 第8巻(1904年―1908年)
安村 仁志(教養部教授)他訳
東京・ニコライ堂にその名が残るロシア正教の宣教師ニコライの消失を免れた1870―1911年分の日記(全9巻)の1巻。安村教授が担当した 1905―1908年には日露戦争期日本に残り、教会と信徒を守る傍ら、捕虜になり日本に送られて来たロシア兵たちを懸命にケアした様子、敗北を悲しむ心 情、戦後の新たな歩みなどが書かれている。2007年度日本翻訳出版文化賞受賞。
教文館。2007年7月20日刊。384頁。
句集 解纜
中村 雅樹(教養部教授)著
著者の第二句集。1997年から2006年までの333句を収める。
「深い呼吸とともに、放胆に繊細に、鋭い俳句世界を描きだした充実の新句集」と帯に記されている。季語の本意を踏まえた、奥行きと余白感のある句が特徴である。
饒舌気味の句が量産される今日の俳壇に、一石を投じる静謐な一書。俳句を愛する人に薦めたい。「百鳥」「晨」同人。俳人協会会員。
花神社。2007年7月15日刊。208頁。本体2,600円。
スポーツルールの論理
守能 信次(体育学研究科長、体育学部教授)著
じゃんけんゲームのルールから説き起こし、現代社会でスポーツが担う記号的な意味に触れながら、スポーツルールの機能と構造について法学的な観点から明らかにした理論の書。現代スポーツを考える際に不可欠となる社会科学的認識と論理が提示され、それは将来、スポーツルールの中身がどう書き換えられようとも通用する、普遍的な性格のものである。
大修館書店。2007年7月10日刊。237頁。税込1,785円。
と学会レポート オタク的中国学入門
明木 茂夫(文学部教授)著
中国語訳「電車男」、社会科地図帳のトンデモ地名、中国のUFO、漢字の起源をめぐる珍説、コンピュータと漢字など…。中国学の研究者がオタク的資料をオタク的に斬る、中国学の入門講義。
内容の多くは本学の授業における著者の講義録を発展させたもの。タイトルは軽妙だが、オカルトを懐疑的に検証したり、社会問題を論じたり、といった一面も。
楽工社。2007年7月9日刊。266頁。本体1,680円。
ヨーロッパ読本 イギリス
岩田 託子(国際英語学部教授)共編著
永い歴史をもつ立憲君主制の島国として日本にはなじみの国イギリスに包括的に迫る一冊。「ティータイムにコーヒーを飲み、フィッシュアンドチップスよりピザが好き」なイギリス人の、過去から継承した伝統と現代での変貌をとらえる。
編著者は国際英語学部教授。本学で15年にわたり「イギリス文化」を講じてきた経験をもとに、イギリス的なるものをうらづけようと試みている。
河出書房新社。2007年5月30日刊。297頁。本体2,000円。
学ぶ意欲を育てる人間関係づくり―動機づけの教育心理学
杉江 修治(教養部教授)他著
新しい時代に求められる学力の重要な側面として学習意欲があげられる。教育心理学では動機づけ研究としてこの領域の検討をしてきている。
本書は人間関係という本来最も重要な動機づけ要因を組織的に取り上げた画期的な編集がなされている。著者の一人杉江氏は教養部教授。協同学習の動機づけ機能を論じている。
金子書房。2007年5月25日刊。200頁。本体2,400円。