教員の本
ミクロ経済学の考え方
白井正敏・山田光男・中山惠子(経済学部教授)著
ミクロ経済学が追求する望ましいとする経済の基準は「効率性」および「公平性」である。本書は、誤解を受けやすい効率性の含意やその満たすべき条件などを丁寧に説明する。また、入門的な経済学では、あまり扱われていない公平性の考え方を詳しく説明している。現実の経済において、すべての人が利益を受ける変化は望み得ない。この本では、対立する利害を調整する問題を経済学がどのように解決するかを公平性の問題を通じて考察している。
八千代出版。2012年1月25日刊。 228頁。税込2,625円
English in Southeast Asia: Features, Policy and Language in Use
James D'Angelo(国際英語学部教授)他著
このジョン・ベンジャミン出版からの書は、「世界の英語変種シリーズ」の中の一巻である。この書は3つのセクションからなり、最初のセクションはシンガポール、マレーシア、ブルネイ、フィリピン、タイ、香港における言語状況に関する六つの章からなっている。ついで、それら地域の言語政策に関する6章からなるセクションが続く。最後のセクションは、実際の使用言語に関するもので、その中で、筆者が中京大学の国際英語学部所属であり応用言語学と言語教育に関係していることから、国際英語とカルキュラムの章を執筆した。
ジョン・ベンジャミン出版。2012年1月25日刊。 394頁。税込13,560円
Understanding English across Cultures
James D'Angelo(国際英語学部教授)他著
他の2名のアジア英語研究者との共著であるこのテキストは、「多様な英語」と「国際共通語としての英語」に関する理論を具体的で理解しやすい読み物と練習問題に応用したものである。このテキストが、英語専攻の大学生に現在使用されているグローバルな英語の実態を理解させ、将来のグローバルな人材になるために役立つことを願っている。
金星堂。2012年1月20日刊。90頁。税込1,995円
倫理学の道具箱
原題:The Ethics Toolkit: A Compendium of Ethical Concepts and Methods
長滝 祥司(国際教養学部教授)他訳
昨今の混沌とした世相を反映してか、世間はちょっとした倫理ブームである。一方で、倫理を正面切って口にすることにはどこかいかがわしさがある。「口では立派なことを言いながら人間的には・・」という輩も多いからだ。倫理的葛藤に処方箋を見つけることは難しい。本書は、矛盾と葛藤に満ちた、我々の「倫理的」世界を読み解くための概念の道具箱である。
共立出版。2012年1月10日刊。264頁。税込2,940円
著作権法改正の政治学
戦略的相互作用と政策帰結
京 俊介(法学部講師)著
政策に関する専門性が高いために多くの有権者と政治家が積極的に関心をもたないロー・セイリアンスの政策分野の一つに、著作権法・知的財産政策がある。
本書は著作権法改正過程をめぐる政治家、官庁、利益集団、外国の戦略的相互作用をゲーム理論を用いて分析することで、ある政策帰結がなぜ成立したのかを明らかにし、その上でそれらを民主的手続きの正当性の観点から考察する。
木鐸社。2011年12月10日刊。272頁。税込3,675円
トレーニング科学
健康・スポーツ科学テキスト
北川 薫(学長・スポーツ科学部教授)編集
「健康・スポーツ科学テキスト」シリーズの第2巻。「総論」、「体力とトレーニング」、「トレーニングの注意点」、の3節から構成され、運動・スポーツ科学の専門家が、分かりやすく解説している。対象は、体育学・スポーツ科学系および健康科学系の学生、健康運動に従事する保健師、管理栄養士といった運動指導にかかわる専門家である。
文光堂。2011年11月3日刊。189頁。税込3,150円
読むダイエット 意外と知らない体脂肪の真実
運動と食事のプログラム付き
湯浅 景元(スポーツ科学部教授)著
からだを構成する“体脂肪”は、悪者扱いされがちである。確かに体脂肪の過剰蓄積はさまざまな病気の原因となる。だからといって体脂肪が少なければ健康にとって良いというわけでもない。適度な量の体脂肪が存在するからこそ、私たちの健康は保たれるのである。筆者は体脂肪の専門家ではないが、健康を指導する立場から体脂肪の功罪をまとめたのがこの本である。
廣済堂出版。2011年11月1日刊。231頁。税込840円
単元見通し学習への挑戦
協同教育実践資料15
杉江 修治(国際教養学部教授)監修
授業では、新しい単元の第1時間目に、学習者に単元全体の見通しを与えることで主体的な学びが促進される。本書は、若手教員の研修も兼ねて、犬山市立城東小学校5年生の教師集団が取り組んだ「単元見通し学習」のアクションリサーチの成果を報告したものであり、この授業モデルのガイドブックにもなっている。
監修者は本学国際教養学部教授。城東小学校の授業改善に2001年度から関わってきている。
タワーの時代-大阪神戸地域経済史-
中京大学経営研究双書No.33
寺岡 寛(経営学部教授)著
日本人にとって近代化とは何であったのか?シンボルとしてのタワーを通して建築と経済の時代を説いている。具体論として、大阪と神戸の地域経済発展が、大阪の初代通天閣、神戸の神戸タワーという時代の象徴的建物を通して生き生きと描かれている。この二つのタワーの設計者は設楽貞雄である。彼はこのほかにも阪神間に多くの近代建築を手掛けた。設楽の歩みもまた大阪や神戸の地域経済発展とも大きく重なる。経済史だけではなく建築史しても読める。
信山社出版。2011年10月31日刊。201頁。
当事者主体を貫く
不可能を可能に-重度障害者、地域移行への20年の軌跡
伊藤 葉子(現代社会学部准教授)他著
本書は1970年代から、名古屋の地で重度障害者が地域で当たり前に暮らす実践を重ねてきた「社会福祉法人AJU自立の家」の法人化20年の歴史を検証したものである。
利用契約制度下において、当事者主体、本人中心の支援とは何かを問い、その将来像を展望しようと試みている。
中央法規出版。2011年10月1日刊。274頁。税込2,730円