アルティメットをもっと多くの人に知ってもらいたい

近藤奈緒さん(2019年3月 現代社会学部 現代社会学科卒)
株式会社アイガー/WFDF2019世界U-24アルティメット選手権大会 ミックス部門代表メンバー

 現代社会学部OGの近藤さんは、713日から20日にドイツ・ハイデルベルグで開かれたアルティメットの23歳以下チームの世界大会「WFDF2019世界U-24アルティメット選手権大会」代表メンバーとして、世界2位に貢献した。

 アルティメットはアメリカ発祥の7人制のチームスポーツで、100m×37mのフィールドでフライングディスク(フリスビー)を落とさずにパスをして運び、コート両端のエンドゾーン内でディスクをキャッチすれば得点となるスポーツ。審判がいないためセルフジャッジで行われるのが特徴で、今大会では15点先取の得点制で勝敗を決める。近藤さんは3部門(ウィメン、メン、ミックス)のうちミックスで出場した。

 近藤さんがアルティメットを始めたのは大学に入学してから。中・高校生の時は陸上部に所属し、中学校では800メートル、高校は400メートルと400メートルハードルの選手として練習に打ち込んだが、「大学では新しいスポーツがしたい」と中京大に入った。各部活動の試合動画やホームページなどを見て「全国でも上位ランクで、とにかく試合姿がかっこいい」と惹かれてアルティメット部に入部した。

 今年の3月に卒業して株式会社アイガーに入社し、平日は仕事、土日はアルティメット主体の生活を送っている。アイガーは総合広告代理店で、パンフレットや広告を中心とした営業を行っている。「ノルマは確実につぶせるように、平日はいかに仕事に集中できるか考えています」と両立は大変だというが、最近初めてパンフレットを受注することができ、「『近藤さんだからやってみる』と言われた時はうれしかったです」と笑顔を見せた。

近藤奈緒さん

U-24は最後のチャンス

 大学4年生の時にも一度U-24の代表として世界の舞台で戦った。結果は2位だったが「緊張と不安でコートに立つことすら怖かった」という。自分の実力が出せずに終わってしまい、年齢的にも次がラストチャンスだとわかっていたが代表選考を受ける気はなかった。

 しかし、その時一緒だったチームメートに「最後だから一緒に受けよう」と誘われ、前回の雪辱を期すためと考えて選考を受け、代表メンバーに選出された。

 世界選手権までは国内合宿が全部で7回行われ、その間、技術面だけではなくチームの仲間たちとコミュニケーションを図り、チームワークを築いていった。はっきり自分の意見を言うことのできるメンバーが多かったため「意見を聞き入れてまとめるのが難しかったです」と振り返った。

 「WFDF2019世界U-24アルティメット選手権大会」には29の国と地域から51チームが出場。ミックス部門には21チームが出場し、トーナメント戦で各国と戦った。ミックスは基本的に男子4人、女子3人の7人で、ハンドラ―と呼ばれる"投げる"役3人と、ミドルと呼ばれる"走る"役4人で試合する。ミックス代表の女子12人のうち、近藤さんは女子4人のみのハンドラ―(オフェンス)を担当した。

近藤奈緒さん

「悔いはありません」

 「スタート時にラインナップするときは、毎回気持ちが高ぶります」。自分たちがミスをしたら次につなげられないため「ミスできない」という重圧感が好きだという。「負けたらオフェンスが点を取れなかったからと思うようにしています」と話す。

 大会はアメリカが3部門とも優勝し、日本は2位に輝いた。昨年と順位は同じだったが「悔いはありません」と話す。「今回代表として試合に出て、『自分の持ち味』を出すことができ、本当の意味で戦ってこられたと思います。試合をして、世界は日本の細かい戦略や動きが苦手だと感じました。現状、ミックス部門でアメリカを倒せるのは日本だと思いました。日本が2大会連続で決勝まで登れたのは本当にすごいこと。監督コーチの圧倒的な実力のおかげです」と力強く語った。

2019/09/17

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