若者の運動習慣と筋肉の硬さに関する新知見を発表

 教養教育研究院の吉子彰人講師、太田めぐみ教授、スポーツ科学部の光山浩人教授、倉持梨恵子准教授の研究グループは、2023年2月、若者の筋肉の硬さに関する新知見を発表しました。

 近年、大学生を含む若者の運動不足が問題となっています。運動不足が筋力や体力の低下を引き起こすことは既知の事実であることから、日常的な運動習慣の違いが身体に影響を与えている可能性が高いと考えられます。今回の研究では特に筋肉に着目し、筋力、筋肉量、筋肉内の脂肪 (霜降り) の程度、筋肉の硬さなどを調査しました。

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 中京大学豊田キャンパスの学生を対象に、運動習慣の調査とともに筋力、筋肉の量、霜降り度合い、筋肉の硬さなどについての調査を行いました。その結果、運動習慣のあり・なしでは、筋力や霜降り度合いが同程度であったのに対して、筋肉の硬さに違いがありました。具体的には、つま先を手前に引いた状態 (=足首を曲げた状態、背屈位) において運動習慣があるひとの方が柔らかい筋肉を持っていることが明らかとなりました。

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 吉子講師は「本研究によって日常的な運動が身体にどのような影響を与えているかを明らかにすることができました。"運動をしているとしなやかで柔軟性の高い筋肉を持っている"というイメージに対して、科学的根拠を付加できたことに意味を感じています。今回の知見を生かしながら、若者を含むヒトの健康増進に寄与する研究を発展させていきたいです」とコメントしました。

 本研究は中京大学先端共同研究機構研究プロジェクトの一環として実施されたものです。研究成果はスポーツ科学領域において歴史のある学術雑誌International Journal of Sports Medicineに掲載されました。

論文情報

 論文名:The influence of daily exercise on muscle echo intensity and stiffness in young women
 雑誌名:International Journal of Sports Medicine
 DOI: 10.1055/a-2029-8909

研究者情報

 論文責任者:吉子彰人 (教養教育研究院・講師)
 HP: https://www.a-yoshiko.net/

2023/03/10

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