大阪イノベーションハブ主催のイベントでスポーツ科学部荒牧教授、工学部瀧教授が講演 新たな事業創出を目指す
大阪イノベーションハブ(OIH)主催のイベント「産学連携テックミーティング スポーツテック・スポーツサイエンス編」が6月24日、オンラインで開かれ、スポーツ科学部の荒牧勇教授、工学部の瀧剛志教授が講演した。
OIHは、大阪市が2013年に開設した起業家、技術者が集まる"イノベーション創出拠点"で、「大阪から世界へ」をテーマに、新しい事業の創出、拡大につながるイベントやプログラムを年間約250回開催している。今回、本学は中部圏から初めての参加となった。
荒牧教授、瀧教授が講演した「産学連携テックミーティング」は、大学や研究機関の研究シーズを発表することで、企業との共同研究開発や特許の活用をめざすマッチングイベント。6月24日は「スポーツテック・スポーツサイエンス編」として、開催が迫った東京オリンピックに関連し、スポーツ産業で活用されている研究を発表した。
荒牧教授は「脳電気刺激と脳構造画像解析を組み合わせた身体パフォーマンスアップ法の開発」をテーマに、脳を電気刺激する「経頭蓋直流電気刺激(transcranial Direct Current Stimulation:tDCS)」という手法を用いて、身体運動パフォーマンスをアップさせる研究について紹介した。また「MRI脳構造解析」として、個々の脳の断面図を定量的に表すVBMを解析することで、競技ごとに脳のどの分野が発達しているか調査を進めていると説明。今後、その特性を使った「最適スポーツ種目の選択システムの開発」や、tDCSと組み合わせた「脳の構造と機能に注目したtDCS法の開発」が想定されると話した。
研究内容について紹介する荒牧教授 |
瀧教授は「スポーツにおけるチームワーク分析のための特徴量とその応用技術」をテーマに、チームワークを分析するための特徴量(その対象の特性を定量的に表した数値)となる「優勢領域」、また人の移動能力を測る方法として「加速度パターン」について説明。優勢領域は、他の誰よりも早く到達できるところまでを領域として、それが時間経過によって変化する勢力範囲をトラッキングデータから計算して可視化する。サッカーなどの競技ではチーム、個人の持つスペースを有効活用することが重要視され、優勢領域を活用することでチーム競技におけるゲーム分析手法の開発などが想定されると説明した。加速度パターンは個人の運動能力を表す指標としても使える可能性があると話し、個人の加速能力と競技特性のマッチングや、新しい運動能力テストの開発など応用についても紹介した。
瀧教授は優勢領域、加速度パターンについて説明 |
講演後には、聴講した企業から多数の質問があがった。現在、産学連携に向けて面談希望の企業ともコンタクトをとっている。