国際教養学部の渡邊研究室が「第4回八事いきいきアカデミー」を開催 ~内閣府・戦略的イノベーション創造プログラムのアウトリーチ活動として~
遅咲きの桜が満開となった2017年4月8日の中京大学八事キャンパス体育館にて、国際教養学部渡邊研究室が主催する高齢者向けの健康講座と体力測定会が行われた。渡邊研究室では日頃の研究活動に被験者として参加される高齢者を対象として、このような会を年2回開催している。「八事いきいきアカデミー」と名付けられた会は今回で4回目(3年目)を迎え、参加者を増やし続けている。
現在、当研究室では戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「運動・身体機能維持を促す次世代機能性食品の創製」という内閣府主幹の大型研究プロジェクトに参画しており、「運動」と「食品」の組み合わせが高齢者の運動機能(渡邊研究室では特に神経と筋肉の機能を中心に評価)に及ぼす影響について国内17研究機関と連携した研究が進められている。今回の八事いきいきアカデミーでは、健康講座の中でSIPを進める中で得られた知見を、一般の方と共有する機会を設け、いわゆる「アウトリーチ活動(*1)」が実施された。自身の身体や健康に関わる内容であるため、参加者は非常に真剣な表情で講座を聴講していた。一方で、渡邊准教授は「こういう機会に高齢者の方から色々と意見を聞くことができ研究のアイデアをもらうことが多い。」と話し、双方向の情報交換が存在することも、こういった会の重要な点であるとしている。
また、学生も高齢者の方と接することで"超高齢社会"である日本の課題に直接触れ合う機会になっている。渡邊研究室のゼミ生の多くは今秋から「国際教養学部・海外課題研究」のため、ドイツ、スペインなどへと半年間ほど留学することとなる。国民に占める高齢者人口の割合が世界一である日本の現状をこういった機会を通して学び、日本での取り組みを諸外国へ発信するとともに、「高齢者」や「健康」といった切り口から留学先での文化や社会に関する学習にアプローチしてくれることが期待される。
今後は、研究室主宰のコミュニティである強みを生かした"攻めの運営"をして、「八事いきいきアカデミー」を育て、加齢が運動機能に及ぼす研究に関する国際的な研究拠点にしていきたいと渡邊准教授は語る。
参加者とスタッフ | 高齢者の体力測定を行う国際教養学部渡邊研究室の学生と参加者の近隣の高齢者の方々 |
中京大学国際教養学部:http://www.ils.chukyo-u.ac.jp/index.html
中京大学国際教養学部渡邊研究室ホームページ:http://kwatanabe.net/index.html
*:1アウトリーチ活動
国民の研究活動・科学技術への興味や関心を高め、かつ国民との双方向的な対話を通じて国民のニーズを研究者が共有するため、研究者自身が国民一般に対して行う双方向的なコミュニケーション活動(引用元:文部科学省HP)
渡邊准教授 |