「近代公文書自動解読システム開発」推進のための研究会を開催 同研究に三菱財団助成金

 中京大学と公立はこだて未来大学の学術交流協定に基づく、ディジタル・ヒューマニティーズ・プロジェクト「近代公文書自動解読システムの開発」推進のため、第1回研究会が9月30日、はこだて未来大で開催された。また、この研究は2016年度の三菱財団助成金に採択されており、9月12日、代表者の檜山幸夫・社会科学研究所長(法学部教授)に助成金が交付された。

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助成金を受け取る檜山教授(=右)

 研究の対象は、戦前の「台湾総督府」が保管していた手書き文書。近世古文書の流れを汲む難解な表現となっており、これを自動解読するシステムを両大学で共同研究する。第1回研究会では、台湾総督府文書を1981年から研究してきた檜山所長が、「台湾に現存する唯一体系的に残る日本の近代公文書である」などと文書の概略を説明した。続いて、はこだて未来大の寺沢憲吾教授が、手書き文書資料を解読するための解読支援手法に関して、これまでの研究実績や研究動向について説明した。

 その後、参加者全員による討論会が行われ、三菱財団の助成期間である1年間で研究成果を収めるため、人文系と理系が同時進行でそれぞれの研究を進めることになった。第2回の研究会に向けて両大学が緊密に連絡を取りあうことにした。

 檜山所長によるオープンセミナーも開催され、はこだて未来大の学生と教員に「日本近代公文書としての台湾総督府文書」というテーマで講演した。

2016/11/15

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