ロボカップ世界大会で清水工学部准教授が参加した合同チームが2位
競技の改善を提案する「レスキュー・インフラストラクチャ」リーグで

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プレゼンを行う清水准教授

 ロボカップ世界大会2015が、7月17 -22日に中国の安徽省合肥市で開催され、工学部の清水優准教授が所属するチーム「Hinomiyagura」が「ロボカップレスキュー・インフラストラクチャ」リーグで2位となった。清水准教授らのチームは名城大学、オランダのアムステルダム大学、アメリカのソフトウェア開発団体の各1人ずつからなる。3チームが参加し、愛工大のチームが1位に、イランのチームが3位となった。

 ロボカップレスキュー分野は1995年に起きた阪神淡路大震災の経験から生まれた。清水准教授が参加したインフラストラクチャリーグは、大規模災害の対応をするレスキューシミュレーションリーグの将来を改善するため提案を行う部門。論文とプレゼンテーションで発表する。勝敗は、新規性や有効性、将来における実現可能性を審査し、レスキューシミュレーションリーグに参加した全16チームが投票して決定された。

 清水准教授らの提案は、レスキューシミュレーションリーグの中のレスキューバーチャルロボットリーグで使用しているシミュレータを改良するもの。物理シミュレータをゲーム仕様のものから、研究で用いることが可能なものへ変更し、有効性を示した。また、実際に作成したプログラムを公表することで将来実現可能性もアピールした。

 ロボカップはロボカップ国際委員会(スイス)を中心にドイツやアメリカ、シンガポールなど各国の委員会が運営している。1997年から毎年、世界大会が開催され、40カ国以上から選手(ロボット)が集まる。ロボットによるサッカー競技「ロボカップサッカー」、災害現場で人命救助を行う「ロボカップレスキュー」、キッチンやリビングなどの日常生活において人間と共同作業する「ロボカップ@ホーム」、将来のロボカップを支える子供たちのリーグ「ロボカップジュニア」の4分野からなる。

 2017年のロボカップ世界大会は名古屋で開催されることが、同大会で決定した。2017年に向けて、本学からより多くの強力なチームと質の高いボランティアスタッフを輩出しようと、学生たちも意気込んでいるという。

 ロボカップの創設には本学工学部の前身である情報科学部の生みの親、福村晃夫名誉教授が大きく関わっている。ジャパンオープン「サッカー小型ロボット」リーグのヒト型では今年、本学チームが2連覇している。

2015/07/30

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