現代社会学部の大岡頼光准教授、第3回福祉社会学会学術賞を受賞
「教育を家族だけに任せない―大学進学保障を保育の無償化から―」

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大岡 頼光准教授

 2015年6月14日、現代社会学部大岡頼光准教授が、第3回福祉社会学会学術賞を受賞しました。福祉社会学会では、福祉社会学研究の一層の発展のために学会賞を設け、優れた研究業績を発表した会員を表彰しています。福祉社会学会学術賞の受賞資格者は「すべて」の会員で、受賞の対象は「単著の著書」です。

  審査の結果、大岡准教授の『教育を家族だけに任せない―大学進学保障を保育の無償化から―』(勁草書房、2014年)が学術賞に選出されました。大岡准教授は、少子高齢化が急激に進む日本を支えていくには、どの家庭の子どももその可能性を最大限に伸ばし、大学進学もできる社会をつくる必要があると主張しています。家族の教育費負担を当たり前とする「家族主義」のままでは、稼ぎ手の親が倒れると大学進学は極端に難しくなります。今は親の大学教育費負担がないスウェーデンも、かつての「家族主義」を変えて創り出されたものです。「家族主義」を変え、家庭環境が激変しても子どもが自分の可能性を最大限に伸ばせる社会、「教育を家族だけに任せない」日本社会を構想しました。

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  大岡准教授は、「福祉社会学会学術賞に選ばれ、誠に光栄です。研究の出発点は介護殺人でした。子が親を介護するのは当然と考え周囲に助けを求めず、追いつめられて親を殺すのはなぜか。高額な大学教育費を親が負担し、親にお返ししなければと子が思い込むからではないか。その着想から研究を始めました。一見、無関係に思える介護の問題から、教育の問題にまで議論を展開できるのが、社会学の魅力です。福祉で思い浮かぶ普通のテーマとは違う、教育費負担の問題を扱った拙著を福祉社会学会で評価していただいたのは、嬉しい限りでした。今後も、少しでも今の社会を生きやすくするための社会構想学を、学生諸君や研究仲間とともにめざして精進してまいります」と抱負を述べています。

2015/07/01

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