情報理工学部の白水始准教授がロボットのリボイス効果を実験
「ロボットによる協調学習支援と学習コミュニティの形成」研究の一環
実験について説明する白水准教授 |
情報理工学部情報メディア工学科の白水始准教授は、人とロボットが共生する社会に向け、「ロボットによる協調学習支援と学習コミュニティの形成」の研究に取り組んでいます。東京大学・京都大学・大阪大学・ATR・静岡大学との共同研究で、2009年から5年計画で始まった新学術領域研究「人ロボット共生学」(研究代表者 三宅なほみ)の一環として進めています。現在は中間地点で、実践的な観察データを蓄積し、分析し、より精密な理論の構築に取り掛かっています。
白水准教授は6月15日、ロボットが協調学習時の「よい聞き手」となるための条件を調べる実験をゼミ生の協力を得て行いました。学生が議論をしている時に、ロボットがその言葉を拾ってオウム返しするだけの簡単な支援で、議論が盛り上がったり、理解が深まったりするかを確かめる実験です。教育学的にリボイスと呼ぶ行為で、授業の効果を高める手法として定着しています。ロボットが教師的・指導的な発話をした場合はロボットに依存的になる学生がいたのに対し、リボイスのみのロボットが相手だと自分で知識を構成しようとする学生が多
く見受けられ、人間同士の協調的な問題解決過程にロボットのリボイスが大きな影響を与える結果となりました。
白水准教授は、「今後は、①ロボットの働きかけとそれによる学生の学び方の変化、②ロボットの自動化に向けた会話プログラムの開発、③ロボットを遠隔操作することによる学習法(教育実習への活用など)の提案など、順次研究を進めていく」と話しています。