音源分離で、音楽の可能性を広げたい。
久野 文菜さん
工学研究科情報工学専攻 修士課程 2年
ディープラーニングを利用したiOSアプリを開発。
高校時代からジャズピアノを部活で弾いていました。アドリブの練習や耳コピをするときに、「オーケストラやビッグバンドなどの音源から特定の楽器の音を抜き出せたら、もっと効率的に練習ができるのではないか」と考えたことがこの研究をするきっかけのひとつでした。研究では、データの関連性から新たにデータを生成することのできる「GAN」を利用。GANに各楽器の演奏データと多重奏のデータを同時に学習させることで、各楽器の音だけを抽出できるモデルを作成しています。そんな音源分離技術を用いて、現在はiOSアプリ『MuSep』の開発にチャレンジ。特定の楽器の音だけが聴こえてくるようにできるほか、抽出した楽器の音やボーカルの声だけを消すことで、まるで自分自身が合奏に参加しているかのようなカラオケの練習ができるように。より音楽を自主的に楽しめるようなアプリをめざし、研究を進めています。
![]() MuSepの起動画面 |
![]() 久野 文菜さん |
苦手な英語へのチャレンジが、いつか起業につながれば。
そんな音源分離の研究に励む中で、次第に起業への意識が高まりました。そのための私の最大の課題となるのが、苦手意識を持っている英語を克服すること。MuSepのSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)への展示が決まり,英語によるビジネスや研究における会話が必須となりました.そこで「Tongaliプロジェクト」で開催された英語講座に参加しました。Tongaliプロジェクトは、東海地区の大学や企業の方々とともに、起業に向けたノウハウを学べる場所でした。英語講座では英語で起業・ビジネスの知識を学べ,また英語でのコミュニケーションスキルも磨くことができました。起業のためにはお金も必要ですが、知識の土壌を肥やし、積み立てていくことにもフォーカスして、これからも学び続けたいと思います。
![]() SXSW学生派遣審査会突破 |
![]() Tongaliで開催されたリーンローンチパッドの講座にて |