経済学部と西尾信用金庫が共同研究学生報告会を実施

 経済学部山田光男ゼミは2月25日、同学部3年が日頃のゼミナール活動でとりまとめた3つの研究成果の報告会を西尾信用金庫本店で実施し、13人のゼミ学生が参加した。

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 報告会では「インバウンド観光と西尾市の活性化」、「商店街の活性化に向けた考察」、および「将来人口変動の信用金庫への影響」の3つのテーマを報告し、西尾信用金庫役員の方々から講評を受けた。

 山田教授は「今回、報告会に参加し、報告に対して好意的な講評を受けたことは、学生たちにとって自信につながるものと期待しています」と話した。

 経済学部と西尾信用金庫は、2018年度12月から将来の人口減少社会における地域経済のあり方について検討する共同研究「新たな地域創生基盤基準の構築と西尾市経済への応用」を実施している。この共同研究では、教員と信用金庫職員による研究活動だけでなく、ゼミナール学生の参加を求め、地域企業訪問や信用金庫職員との対話を通じて、地域経済に関心を持ち、その諸課題について考える、意欲ある学生を育てることをひとつの柱としている。

 報告の主な内容は以下のとおり。

・第1報告「インバウンド観光と西尾市の活性化」

 愛知県西尾市において充分取り込めていないインバウンド観光をテーマとした。西尾市は、外国人観光者が求める観光資源がないわけではなく、充分知られていないところが課題であり、メディアによる広告事業やSNSの活用、フリーWi-Fiの整備、外国語の案内表示の設置が重要であることを提案した。

・第2報告「商店街の活性化に向けた考察」

 集客力、空き店舗、老朽化などの課題を抱える商店街の問題を取り上げた。商業統計の商業集積地区別データによれば、ロードサイド型商業集積地区の売上げが、唯一優位にあり、駅周辺、市街地型、住宅地背景型の商業集積地区は事業所数、販売額が低下傾向にあるが、すべての商業集積地区が縮小しているわけではない。そこで、商店街の活性化取組事業の成功事例を参考に、西尾市の商店街に対して、「広告の重要性」「外観の整備」「流行にのる」の集客力をあげる3つを提案した。

・第3報告「将来人口変動の信用金庫への影響」

 将来人口減少と信用金庫の預金量の関係について考察した。市町村別世帯数と市町村別信用金庫店舗数の間、信用金庫の店舗数と預金総額の間には正の関係がある。そこで各市町村人口・世帯数と信用金庫店舗数割合から、信用金庫別潜在顧客指数を作成し、市町村別将来人口予測値をもとにその将来値の動向を調べた。潜在顧客指標の将来値には差があり、信用金庫によっては営業エリアの拡大や変更などが必要となる。人口動向と世帯数動向は核家族化、単身世帯の増加により違いがあり、この傾向を取り込む金融商品・サービスの開発が求められることを示した。

2020/08/31

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