海外課題研究報告会 国際教養学部生7人が留学先での学びを報告

 国際教養学部の選択科目「海外課題研究」で海外留学した学生7人が2月7日、学部生に向けて名古屋キャンパスで研究成果を報告した。

 「海外課題研究」は2年次(または3年次)の秋学期に行う1セメスター(2学期制のうちの1学期)の留学プログラム。英語のほかもうひとつの外国語を学ぶ国際教養学部生が、当該言語圏の大学の語学コース(5か国6大学)で習得を図るとともに、それぞれの地域の文化や環境など、自分の設定したテーマに沿って体験することができる。

 冒頭で風間孝学部長は「多様な人と生きていくには何が必要なのかということを、留学した経験から得る学びを通じて考えていただきたい。また、これから留学する皆さんは、語学だけでなく世界の多様な文化のありようについて学ぶために、今回、先輩たちが留学先で多様な文化のどこを切り取って、どのような問いを立てて、どういう答えになったのかを聞いて、ぜひ来年の発表に生かしてください」と話した。

 

 報告会では学生と教員による投票が行われ、学生賞1人、教員優秀賞が2人選ばれた。学生賞に選ばれたのは、スペインのパブロ・デ・オラビデ大学に留学した高坂香月さん。教員が選ぶ優秀賞1位も高坂さんが受賞し、2位にはロシアのサンクト・ペテルブルグ大学に留学した町野純菜さんが選ばれた。

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アンケート結果について話す高坂さん

 高坂さんは「スペインの移民受け入れ問題について」をテーマに研究。授業で移民について興味を持ったこと、またスペインが移民受け入れに寛容というニュースを見たことなどから研究テーマを決めた。スペインと日本とで、移民問題への関心や受け入れのメリット・デメリットなどについてアンケート調査を行い、移民に対する日本とスペインの意識の違いを明らかにした。高坂さんは発表の最後に「多文化サークルとして、ゼミで日本にいる移民の方と交流するサークルを計画しています。ぜひ参加してください」と呼びかけた。

 教員からは「移民についての議論が進んでいない日本に対し、スペインでは移民受け入れがポジティブに受け入れられていることがわかってよかった」と評価された。

 また、町野さんは「ロシア・バレエの歴史と現在-振付の観点から」をテーマに、実際に現地で鑑賞した4つの作品を選んで研究した。バレエ作品に多くの振付家たちが携わり、歴史や社会に影響を受けながら発展したことや、現在も大切に踊り継がれていることなどを報告し、「振付からそこに至った経緯や歴史をあきらかにした素晴らしい発表だった」と評価された。

 町野さんは「普段あまり馴染みのないバレエに焦点を当てましたが、発表を聞いて興味を持ち、魅力を知ってもらえたら嬉しい」と話した。

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風間学部長から表彰状を受け取る町野さん

 受賞した2人以外にも、発表者は留学先で調査した日本との比較や文化、意識の違いなど研究成果を報告し、テーマについて今後の課題やまとめを聴講者と共有した。ほかの発表者は以下のとおり。

 松岡 ひなたさん(フランス・レンヌ第2大学)      「恋愛大国で生きる若者の恋愛事情」

 清水 健士朗さん(スペイン・パブロ・デ・オラビデ大学) 「スペイン人のジェスチャーと役割について」

 梅田 健太郎さん(中国・蘇州大学)           「中国語と日本語の翻訳」

 竹中 優介さん(ドイツ・デュッセルドルフ大学)     「ドイツ人にとっての軍事」

 大野 彩花さん(中国・蘇州大学)            「日本と中国のコンビニ事情~大学生の視点から~」

 発表会後には、211アレーナに会場を移して懇親会が行われた。

2020/02/14

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