総合政策学部・桑原ゼミ、法学部・京ゼミ 愛知県内の7大学8ゼミで合同ゼミを実施

 総合政策学部・桑原ゼミ(桑原英明教授)と法学部・京ゼミ(京俊介准教授)は、6月22日に愛知学院大学名城公園キャンパスで、愛知大学法学部・入江ゼミ、愛知学院大学総合政策学部・中村ゼミ、椙山女学園大学現代マネジメント学部・高ゼミ、名古屋大学法学部・荒見ゼミ、名古屋市立大学・三浦ゼミ、名城大学法学部・高松ゼミ、合計7大学8ゼミの92人で合同ゼミを行った。この合同ゼミは、2013年に法学部・京ゼミと愛知大学地域政策学部・野田ゼミと今里ゼミの合計3ゼミ約50人の学生で始まり、今年で7回目。年々規模が大きくなり、参加学生数としては100人を超えた昨年が最多であったが、今年は参加大学数・ゼミ数としてはともに過去最多となった。

 合同ゼミでは今年のテーマである「災害」に関する5冊の新書から一つを課題として選び、各ゼミが課題ごとに幾つかの班に分かれ、異なるゼミの3つの班で一つのチームを組んだ。午前から行われた分科会ではチームごとに意見をまとめ、午後に発表(予選と決勝)を行った。

 決勝に進んだ2チームは、偶然にも課題図書が同じチーム同士だったが、それにもかかわらず、全く異なるまとめ方と提言を行った。決勝のプレゼンテーション審査の結果、最優秀報告班には、総合政策学部・桑原ゼミのメンバーを含むチームが選ばれた。京ゼミのメンバーを含むチームは予選で敗退したが、他大学の先生の講評では京ゼミの学生の一人がそのプレゼンテーション能力を高く評価された。

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最優秀報告班 分科会で打ち合わせ

<総合政策学部3年・高橋愛麗さん、渡邊聖也さんの感想>

 私たちのチームは、『大災害と法』(津久井進著、岩波新書、2012年)をもとに、地震や台風など毎年のように日本列島を襲う大規模災害に対し、なぜ国や自治体の対応は遅いのか、なぜ被災者に支援の手が届かないのかについて議論しました。災害に関する複雑な法制度とその限界は理解できたものの、改善策を探ることは難しく苦労しましたが、「私たちにできることは何か」を考えた結果、筆者の主張する複雑な法制度の整備に頼ることではなく、災害時の自助・共助の仕組みづくりを提案することができました。チームの活動では各自の提案を否定せず、良い点を取り入れるなど、相手の考えを尊重しつつ議論を深めることができたと思います。

 初対面の方と議論を交わし、ひとつの政策提案に練り上げていくことは初めての経験でしたが、とても有意義な時間でした。今回の合同ゼミは、大学を越えた交流・友好の場となり、私たちのチームでは思いつかない多様な視点を知る良い機会になったと思います。最優秀報告班になることができましたが、協力し合い、ひとつの政策を完成させた他大学のみなさんに感謝申し上げます。

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総合政策学部高橋愛麗さん・渡邊聖也さんの班の発表   発表班に質問する渡邉柊希さん(法学部)

<法学部3年・渡邉柊希さんの感想>

 私たちの班は愛知大学の入江ゼミ、愛知学院大学の中村ゼミと『国土と日本人:災害大国の生き方』(大石久和著、中公新書、2012年)について取り組みました。この文献は、長年にわたり日本の国土づくりに携わってきた著者が、その経験をもとに日本の国土を環境面や社会面などの様々な角度から分析し、災害大国である日本のこれからの国土づくりについて提案していました。

 分科会は、各ゼミが事前に準備した資料をもとに、発表用のスライドを作成しました。しかし事前に同じ文献を読んできたにもかかわらず、各ゼミが準備してきた資料の内容は全く違うものでした。そのため各ゼミが文献のなかで注目した個所と提案した解決策を書き出し、共通点を見つけることにしました。班員全員の同意で選ばれた京ゼミの発表者を中心に議論を重ね、各ゼミの視点を取り入れた発表用のスライドを作成しました。

 実際の発表では、決勝まで進むことができず予選落ちという結果になってしまいましたが、発表者のプレゼンテーション能力を高く評価されました。しかし、各ゼミの視点を取り入れたスライドを作成した結果、時間内にうまくまとめることができず、最もアピールしたい解決策の提案がぼやけてしまいました。また、提案した解決策をどのようにして合意形成までもっていくのかという見通しについても、自分たちが考えていたものでは不十分であったことを強く感じました。

 私は今回の合同ゼミで、自分とは違う視点を持った人達と一緒にひとつのものを作りあげることの難しさと楽しさを知りました。同じ文献でも受け取り方は人さまざまで、それをひとつにまとめ上げるのはとても大変な作業でした。しかし自分と違う視点をもった人の意見は思いつかないようなものがたくさんあり、とても驚きました。そういった体験ができたことはとても楽しかったです。

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懇親会後に記念撮影

2019/07/16

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