工学部・野浪研究室の松原さん、澤田さんが研究発表した各学会で賞を受賞

 工学部野浪研究室(野浪亨教授・機械システム工学科)の松原綜一郎さん(工学研究科2年)と澤田亮司さん(3年)が相次いで賞を受賞した。

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 松原さんは3月5日、岐阜大学で行われた日本材料学会東海支部主催の第12回学術講演会の口頭発表で、学術分野の優秀講演賞を受賞した。セッション名は「機能材料」。材料を加工して付加価値をつけようというもので、野浪研究室で2年ほど前から企業と共同研究している竹炭のセシウム・ストロンチウムの吸着実験について、初めて学術的な発表を行った。

 発表論文は「竹炭を塗布した不織布の水溶液中でのセシウム・ストロンチウム吸着評価」。竹炭に放射性物質を吸着・除去する能力があることはこれまでの研究で明らかになっているが、単体では使用しづらい。今回は、不織布に竹炭を塗布した竹炭シート2種類を作成し、シート状であってもセシウム・ストロンチウムの吸着能力が発揮されるか研究し発表した。

 この賞は、内容はもちろん発表態度や質問への答え方などが評価対象になっており、松原さんは「苦手な口頭発表で賞をもらえたことが何より嬉しいです。機能材料といっても電子部品などの発表が多く、有機物に関する発表は少なかったため、炭の特性など基礎や工程を説明することでわかりやすい発表を心がけました」と話す。実用化までには至っていないが、今後、現地でのモニタリングなどを行っていく。

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研究について説明する澤田さん(右)

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 澤田さんは、3月2日に開催された日本熱処理法技術協会の第8回中部支部主催講演会で研究発表優秀賞を受賞した。この講演会ではベストプレゼンテーション賞に続く2位にあたる。大学院生や企業の研究者含め若手が多い学会の中でも、今回の発表者で学部3年生の澤田さんが最年少だった。

 発表内容は「擬似体液中でヒドロキシアパタイトを被覆した陽極酸化処理したチタン板のメチレンブルー脱色能及びタンパク質吸着能」。チタン板は人体に比較的安全な材料であり、インプラントや銀歯、金歯の代わりに使用する研究が進められている。ただ、そのまま歯に差し込むと炎症が起きるなどするため、生態親和性を高めるためにアパタイトの吸着力と酸化チタンの分解能力を利用した研究を発表した。

 方法は、4つの電解液で陽極酸化処理(※)などを行ったチタン板の表面にヒドロキシアパタイト(骨や歯の主成分)を被覆させた8種類のチタン板を作成し、有機物に見立てたメチレンブルーの脱色率を調査した。陽極酸化処理は他の医療器具では使われることも多く、今回は野浪研究室がこれまでの研究ですぐれた効果を発揮する処理を発見した、その応用となる。

 野浪研究室では電解液の選別からはじめ6年ほどかけてこの研究を行っており、実用化に向けては耐久性を満たしているかなどの実験を引き続き行っていく予定。

 ※陽極酸化処理とは、電解液(電気を通す液)につけたチタン板を、電気を流すことで表面の形状を変化(酸化)させる処理のこと。

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受賞した松原さん(左)と澤田さん
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