日本人間工学会東海支部 工学部生、工学研究科院生の3人が研究奨励賞を受賞

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受賞した3人

 工学部・種田行男教授研究室の鷲見貴之さん(4年)、吉田(しょう)さん(4年)と、井口弘和教授研究室の市川智裕さん(大学院工学研究科1年、以下M1)は、10月21日に中京大学で行われた日本人間工学会東海支部の2017年研究大会で研究奨励賞を受賞した。

 日本人間工学会は、人間に関わる研究をしており、工学にからめて製品開発、労働環境につながっている人間の特徴を研究し、改善、開発を行う。

 同賞は、若手研究者を育成するために同学会の東海支部が独自に行っている。17人が受賞し、1人が最優秀奨励賞に選ばれた。

 種田研究室の鷲見さんは「快適な椅子の角度条件について」をテーマに、椅子の背もたれとフットレストの部分を替えて角度条件を色々作り、座る際の圧力の分布割合をみながら快適な椅子の条件を研究、発表した。テーマのきっかけは車いす。長時間座っていると疲れるのではと考え、快適にできないかという点からまずは基本の椅子の調査を始め、最も快適な座位姿勢を研究した。

 鷲見さんは「あらためて発表してみると自分でもうまくまとめられるということを早い段階で知ることができました。賞をいただいて、卒業論文の発表まで気合を入れてもっと頑張らないと、と思います」と語った。

 同研究室の吉田さんは、「把持力と張力との関係‐お菓子の袋が開かない-」をテーマに、お菓子の袋を開封するために私たちが使う指でつまむ力(把持力)と左右に引っ張る力(張力)との関係を研究した。把持力の増加にともなって張力が増加するということを、被験者を使った実験で証明した。この測定とともに、用意した4種類のお菓子の袋からどれが開けにくいかを検証し、作成したグラフと照らし合わせながら研究結果を導いた。

 「今回様々な大学教授の方に聞いてもらい、今まで自分が思いつかなかった質問をしていただいたことで、これから卒業論文発表までの対策、改善に役立てられると思いました。懇親会でもいろんな方と関わり、話しも聞け、貴重な経験をさせていただきました」と話した。

 また、種田研究室の発表者2人は学部生。他の発表者には大学院生も多い。吉田さんの「高度な研究をしていることを実感しました。内容についても難しく、情報量が多かったです。私たちは分わかりやすく伝えることを意識してプレゼンテーションを行いました」との話に、井口教授は「院生にも負けていなかった」と激励した。

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各研究室パネルの前で(左から)吉田さん、鷲見さん、市川さん、井口教授

 井口研究室の市川さんは、「直進運動知覚における誇張表現が速さの印象に与える影響の研究」をテーマに、近年拡大しているVR(バーチャルリアリティ)コンテンツの映像の見せ方に注目。例えば日本のアニメのように誇張した表現がより人に感動を与えるのではないかという仮説から、今回は、トンネルの中を車で進んでいるようなVRコンテンツを使用し色々な形の見え方を研究した。将来的にはVRを用いて、緊張や弛緩などの感情に訴えることができるコンテンツの研究を行っている。現在、M1の市川さんは、あと1年かけて同じ研究に取り組む。

 「卒業研究の初期段階で研究成果を発表できるのはいい機会。発表するまでには期日があるので、計画を立て、発表文書を書くなどの練習ができて今後につながっていくなと思いました」と話した。

 井口教授は今回の受賞について「この受賞が今後のモチベーションにつながれば嬉しいです。またこれに続いて後輩たちのモチベーションがあがり、中京大の工学部がもっと元気になれば」と期待を込めて話した。

2017/10/31

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