経営学部中村雅章ゼミ/伝統野菜「八事五寸ニンジン」を使った焼き菓子「やごベジフィナンシェ」を考案

 経営学部中村雅章教授ゼミの2年生17人は、キャンパス近くの洋菓子店「パティスリーアヴァロン」と協力して、地元の伝統野菜「八事五寸ニンジン」を使った焼き菓子「やごベジフィナンシェ」を考案した。"やごベジ"とは、やごと(八事)ベジタブルの略。

pic1フィナンシェ.jpg
開発した焼き菓子「やごベジフィナンシェ」

 今回の取り組みは、経営学部の新入生にキャンパスがある地域の伝統野菜を知ってもらい、さらに友達づくりのきっかけにしてもらおうと企画したもので、4月3日から始まる1泊2日の新入生オリエンテーションで新入生全員に配布した。また、4月2日に隼人池公園(昭和区隼人町)で行われた、いりなか商店街発展会主催「さくら祭り」でも限定販売した。

 地域の伝統野菜に着目した点と、ゼミが本格的に始まる前の1月から学生たちが自主的に商品開発に取り組んだ点が注目され、3月31日付中日新聞朝刊(25面)に「伝統ニンジン焼き菓子に 中京大生、洋菓子店と考案」という見出しで写真とともに記事が掲載された。

■商品開発の経緯と学び

 私たちはゼミが本格的に始まる前の春休みに初めての商品開発プロジェクトに取り組みました。ゼミの教授からプロジェクトの提案をいただき、「経営学部の新入生に向けたモノで、何かメッセージ性のあるモノにしよう」という方向性が決まりました。

 1月の初め、さっそく私たちは商品の提案を出し、話し合った結果、八事の伝統野菜である「八事五寸ニンジン」を使ったスイーツを作ることに決め、何軒ものお店に協力を依頼し、やっとキャンパス近くの「パティスリーアヴァロン」に企画書を見ていただいた時には、正直ほっとしました。企画書ではチュロスを提案しましたが、「揚げ菓子のチュロスは、出来たてでなければ風味が持たない」と指摘され、結果、焼き菓子のフィナンシェという形になりました。

 4月3日、オリエンテーション合宿に向かう経営学部新入生327人に1袋4個入りのフィナンシェと、私たちのメッセージを綴ったチラシを配布しました。1年前の私たちと同じように、まだ緊張した様子でしたが、バスの中でこのお菓子がきっかけとなって会話が弾んでいるといいなと強く思いました。さらに、このお菓子やチラシを見て、「経営学を早く学びたい」「1年後、自分も商品開発をしてみたい」と思ってもらえるとうれしいです。友達づくりのきっかけだけでなく、新入生の将来のきっかけになってくれていたら、今回、プロジェクトに取り組んだ本当の意味があると思いました。

 また、当初は新入生に配る予定のみでしたが、商品開発の過程で多くの方々と知り合い、サポートしていただく中で、いりなか商店街発展会の方から隼人池公園で4月2日に開かれる「さくら祭り」へのお誘いをいただき、急遽出店することになりました。さくら祭りでは限定70個のフィナンシェを販売しましたが、中日新聞に掲載された記事を見て足を運んで下さった方も多く、およそ2時間で完売することができました。しかし、機会損失が発生してしまい、販売個数の設定の難しさを学びました。今後はお客さんの年齢層などを事前に調べ把握し、機会損失を減らせるように取り組んでいきたいです。

 初めてのプロジェクトで戸惑いやハプニングも多々ありましたが、多くの方から「美味しい」と言っていただき、達成感を味わうことができました。今後はこの経験を生かして、より高い目標を持って取り組んでいきたいです。

(経営学部2年 渡邉素子)

pic2-a.jpg
「さくら祭り」での販売

■リーダーを務めて

 私はリーダーを務めました。商品開発をしたくてゼミに応募したため、リーダーになればプロジェクトに多く携わることができると考え、立候補しました。期間が限られる中で効率的に活動をするために、商品班、パッケージ班、広告班の3つにグループを分け、各々ができることに取り組んだ結果、目標を達成することができました。今リーダーとして心の底から思うことは、プロジェクトに関わってくれたすべての人への感謝の気持ちです。

 しかし、反省すべき点もあります。一つ目は、活動をしていく上でモチベーションに差が生まれたことです。自分の仕事を済ませた人の積極的な姿勢に助けられましたが、常に全体をしっかり見ることができるようにすべきだと思いました。

 二つ目は、数々の場面で優柔不断な姿勢を示してしまったことです。話し合いの際に意見が滞った場面などで、自分から意見を出して話し合いを進めることや、思い切った決断で活動を引っ張っていくことを心がけるべきだったと思います。

 リーダーになっていなければ得ることができなかった経験を今後の活動に生かしていきたいと考えています。

(経営学部2年 金澤健太)

pic3-a.jpg
POP広告制作

■計画を立てることの大切さ

 このプロジェクトを通して一番大切だと感じたことは「計画を立てることの大切さ」です。私たちにとって初めてのプロジェクトで、何もわからないところからのスタートで不安もありました。新入生オリエンテーション合宿まで約3か月という短期間の中で完成できるのか、お店が決まっても、どういう流れと手順で進めるか、細部が分からず、ますます不安は大きくなりました。そこで3か月間の予定表を作ることにしました。

 自分たちなりに熟考して予定表を組んだつもりでしたが、実際は全く予定通りには進行しませんでした。プロジェクトの始まりが1月だったため、バレンタインやホワイトデーと重なり、それは洋菓子店にとって忙しい時期でもありました。なかなかプロジェクトが計画していた通りに進まず、焦りが大きくなっていきました。ただ、その間にも、今後どうしていくべきか、ゼミの仲間と話し合いを何度か重ねていく中で明確なビジョンを立てることができ、少しずつ自信を持ってプロジェクトを進められるようになりました。

 新入生合宿まで残り3週間となった頃、ようやく完成品が出来上がりました。最終的には自分たちが計画した日程よりも早く完成しました。予定通りに行かなくても常に「次にどうするか」を考えながら予定を立てつつ行動できたことがよかったのだと思います。また、急なプロジェクトのお願いであるにも関わらず、アヴァロンさんを始め多くの方々の協力があったからこそ達成できました。人とのつながりの素晴らしさを知る機会にもなりました。

 今回のプロジェクトは本格的なゼミ活動が始まる前の取り組みとして臨んだものであり、得るものが本当にたくさんありました。「計画を立てて物事に取り組む」当たり前と思いがちですがとても大切なことを改めて学ぶことができ、今後のプロジェクトでもまず計画をしっかりと立ててから臨みたいです。

(経営学部2年 小諸ひ菜)

2017/05/10

  • 記事を共有