法学部古川ゼミが八重山合宿で国境地域の諸問題を学ぶ DVD制作にも協力

 法学部古川浩司教授ゼミ(2年2人、3年3人、4年1人)は9月8日から12日まで沖縄県八重山地域における諸問題を学びに現地に行きました。

 まず9月8日に日本最西端にある与那国町を訪問し、与那国町長の外間守吉氏をはじめとする役場の方々にお会いし、お話を伺いました。与那国町では公務員の過疎化が発生しています。また、光ファイバーが通っておらず朝はインターネットがスムーズに繋がらない日もあるので、今後はその導入が計画されています。さらに、「人を減らさない」ことを重要課題として産業発展(島おこし)にも力を入れており、例えば産業発展及びまちづくりとして与那国町内の住民が起業するための助成金制度の体制を充実させているそうです。

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外間守吉与那国町長(右)、町役場の方々から話を聞く古川ゼミ生/波照間島で取材を受ける古川ゼミ生


 9日は八重山広域市町村圏事務組合(石垣市)に総合政策学部佐道明広教授ゼミと共に訪問し、事務局長の伊良部義一氏からお話を伺うことが出来ました。八重山広域市町村圏事務組合議員は石垣市4人、竹富町2人、与那国町2人の計8人で構成され、「八重山はひとつ」を理念として、3市町の振興を目指して行政事務を行っています。例えば、観光交流推進事業として石垣市は、石垣島まつり等において、親善都市交流パーティーを行い、親善都市提携を愛知県岡崎市、姉妹都市提携を台湾の蘇澳鎮やアメリカのハワイ州と結んでいます。また与那国町では台湾の花蓮市と姉妹都市提携をし、締結記念日や国際カジキ釣り大会において交流パーティーを行っていますが、竹富町は台湾との親善都市はなく検討中だそうです。

 10日には波照間島(竹富町)を訪問しました。与那国島では日本最西端の地に、波照間島は有人島の日本最南端の地に行きました。私たちは波照間島で風交舎(元NHKディレクター)の竹内陽一さんからインタビューされる機会をいただきました。質問の中には中国の脅威についてのものもありました。これに対し、私たちは対立という目線ではなく、どのように中国と付き合っていくべきか、どのように協力していくかを考えなければならないのではないかとコメントしました。

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日本最南端之碑(波照間島)にて

日本國最西端之地の碑(与那国島)にて

 最終日の12日は竹富町役場を訪問しました。竹富町は沖縄本島から南西に450kmの八重山諸島、石垣島の南西に点在する大小16の島から構成されています。私たちは竹富町企画財政課課長補佐の小濱啓由氏をはじめとする役場の方々からお話を伺うことができました。

 竹富町は、町独自の海洋基本計画の策定や町の未来と海洋立国のためのやること項目の作成、さらには世界に誇る財産である自然環境を保護するとともに、離島、海洋島嶼自治体であることに起因する様々な課題克服などに取り組んでいます。特にサンゴ礁の保護に取り組む上で、サンゴ礁を守るための地方交付税が国から出ないため現在交渉中だそうです。

 今回の合宿で、現地(八重山地域)に行かないと知りえなかったことがありました。今の時代、簡単に情報を手に入れることができ、虚偽の内容のもの、曖昧な情報も錯綜しています。したがって現地に訪れ自分の目で見る、体験をする事が重要です。私たちは八重山地域を訪問したことで改めてフィールドワークの大切さを学び、日本の国境地域に訪れる機会があったことに感謝し、誇りに思います。なお、今回の私たちのゼミ活動は『国境を行く 竹富の島々を行く』というDVDにまとめられています(DVDの一部は以下のYoutubeサイトで閲覧可能です:https://www.youtube.com/watch?v=UAonI8ALcGs

(法学部2年神谷昇吾・仲見涼平)

2016/11/18

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