経済学部・湯田准教授の共著が第60回日経・経済図書文化賞を受賞 「健康政策の経済分析」
日本経済新聞社、日本経済研究センター共催の2017年度・第60回日経・経済図書文化賞が11月3日に発表され、経済学部・湯田道生准教授と岩本康志氏(東京大学大学院経済学研究科教授)、鈴木亘氏(学習院大学経済学部教授)、両角良子氏(富山大学経済学部准教授)との共同研究の図書「健康政策の経済分析」 (東京大学出版会)が受賞した。
この賞は、過去1年に出版された経済図書の中から特に優れた図書に贈られる。第60回は同書ほか4点が受賞した。
近年は医療・介護費の適正化のために、様々な社会保障改革が実行されているが、それらの政策評価が十分に行われているとは言い難い。「健康政策の経済分析」は、福井県の国民健康保険と介護保険のレセプト、特例健診・特定保健指導データの情報を個人について接合した「総合的パネルデータ」を使って行った経済学的な政策評価の研究成果をまとめたもの。
深刻な日本の財政赤字を歳出面からみると、中心は社会保障への支出で、中でも著しい歳出増が見込まれているのが医療・介護分野である。医療と介護をつないだデータベースを作り、オーソドックスな手法を用いてこの問題に真正面から切り込んだ本書は実証研究の模範として多くの審査委員から高く評価された。
受賞者の一人である湯田准教授は「長い歴史をもつ栄誉ある賞を受賞することとなりましたが、身に余る光栄で恐縮するばかりです。この研究プロジェクトを通して得た貴重な経験を、今後の研究・教育活動にもいかしていきたいと思います」と喜びを語った。
表彰状を受け取る湯田准教授 |