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経済学部・近藤健児教授 日本応用経済学会で著作賞を受賞

 経済学部の近藤健児教授が日本応用経済学会の2016年度著作賞を受賞した。6月17、18日に久留米大学で開催された同学会2017年度春季大会で表彰された。

 対象となった著作は、Springerより2016年10月に刊行された『The Economics of International Immigration』。

 近藤教授がこれまで一貫して行ってきた労働移動に関する理論研究のエッセンスが集約されている本書は、全体が査読付きの英文誌に掲載された諸論文を土台とした14章から構成されており、日本のような先進国が現在直面する経済の諸問題を考慮に入れた上での、国際労働移動とりわけ外国人労働受け入れの及ぼす経済効果を理論的に分析した最初のまとまった書籍である。

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受賞著作について話す近藤教授

 ここでの分析に採用されているのは、国際経済学ではすでに古典的なものとなっているヘクシャー=オリーン=サミュエルソンの貿易理論モデル、国際要素移動理論の基本であるマクドゥガル・モデル、都市・農村間の労働移動を扱ったハリス=トダロ・モデル、環境経済学の分野では広く知られたコープランド=テイラー・モデルなど。そこに最新の経済トレンドを盛り込んでいるところに特徴がある。

 発展段階の異なる国々による財や生産要素の市場統合を含んだ経済統合、合法熟練労働者に交じり共存する外的に区別できるような徴を明示しない非合法単純労働者、汚染排出抑制技術の欠落から生み出される近隣低開発国による越境汚染、国境をまたぎ存在する魚類のような再生可能資源の存在、高齢化と人口減少、若年労働者の高失業率と正社員・非正規社員の経済格差などが国際労働移動の観点から扱われ、外国人労働者の受け入れ政策が経済厚生を高めることに貢献できる可能性が示唆されている。

 学界の共有財産ともいえる比較的シンプルな理論モデルを用いつつ、斬新で明快な結論を導き出す分析手法の独自性と、移民政策をめぐる視点の多彩さから来る政策的示唆に富んだ多くの説得力ある提言が高く評価され、今回の受賞に至った。

 近藤教授は「この受賞を励みに一層研究に精進し、まだまだ良い論文を書いていきたい」と話している。

(2017/06/21)

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