中村雅樹教授(国際教養学部)が第27回俳人協会評論賞を受賞
著書『俳人 橋本鶏二』(本阿弥書店)

 中村 雅樹教授
中村 雅樹教授

 中村雅樹国際教養学部教授が、著書『俳人 橋本鶏二』(本阿弥書店)によって第27回(平成24年度)俳人協会評論賞を受賞しました。本賞は、俳句の分野において、この1年間に最もすぐれた研究業績をあげた俳人協会員に対して授与されるものです。

 本書は、戦後「ホトトギス」において活躍し、「鷹の鶏二」との異名をとった橋本鶏二の評伝です。鶏二の生い立ち、高浜虚子をはじめ多くの俳人たちとの交流、鶏二俳句の確立、『年輪』の創刊、四誌連合会の結成と解散、これらについて、膨大な資料に目を通し、詳細かつ緻密に論じられています。これによって本書は、従来の事典類に記載されていた多くの誤謬を指摘、訂正するとともに、俳句という小文芸に殉じた一俳人の生き方を浮き彫りにしました。戦後俳句史の一端を明らかにした著作です。

 『俳人 橋本鶏二』
『俳人 橋本鶏二』

 中村教授の専門は倫理学で、ヨーロッパの倫理思想を中心に研究を進めてきました。近年は伝統的短詩型文学(俳句・短歌など)固有の思想を、日本の倫理思想の観点から読み解くことができないか、多方面から考察しています。本書はそのための予備的考察を含んだ一書であるともいえます。

公益社団法人俳人協会のホームページでも紹介されています

2013/01/31

  • 記事を共有