スポーツ科学部松本孝朗教授が豊田市消防職員の「暑熱順化」をサポート 熱中症予防を促進

 スポーツ科学部の松本孝朗教授と刑部純平助手、大学院生らは、2021年4月から豊田市消防と共同で「消防署員の暑熱順化プログラム」開発を行っている。体が暑さに慣れることを暑熱順化といい、夏の暑い時期でも防火服を着て訓練・現場活動を行う消防隊員の熱中症を予防するため、大学と市消防が研究分野で初めて協力する。

 松本教授は「消防隊員の方たちは、火の熱から守るための防火服を着て訓練、現場活動を行っている。防火服は火の熱から体を守ってくれるが、その反面、特に夏の炎天下の中では、着ている人の体温も上がるため、熱中症になるリスクが高い。暑さが本格化する前に暑熱順化のトレーニングをして夏向けの体を作る必要があります」と話す。

 6月21、22日は、市消防職員が5月から約1か月かけて行ってきた"暑熱順化するためのトレーニング(暑熱順化トレーニング)"の成果を、20代~50代の消防隊員8人を対象にデータ測定した。

 初回データは4月に測定。暑熱順化トレーニングは5月から約1か月間、週3回のジョギング30分、筋トレ30分の約1時間の運動を消防隊員約400人が続けてきた。

 測定は、豊田キャンパス「人工気象室」で行われた。気温30度、湿度50%に設定された室内で、代表8人が少し負荷のかかる自転車こぎ運動を行う。心拍数、発汗量の連続測定、体重測定、腕からの汗中の塩分濃度を測り、4月測定時より発汗量は多くなっていたり、塩分濃度が下がっていたりすると「暑熱順化されている」ということになる。21日の測定では、発汗量が大きく増加していたことがわかった。

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人工気象室で自転車こぎ運動を行う30代、40代の消防隊員 データを測定する松本教授

 測定したデータは中京大学側が検証し、その結果をふまえ、7月には市消防職員を対象に松本教授による暑熱順化トレーニング研修会を予定している。暑熱順化、トレーニング内容について評価して、次年度に向けたトレーニングメニューを考案していく。

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・朝日新聞デジタル/暑さに体が慣れているか? 愛知の豊田市消防が測定・評価(2021年6月24日)
 https://www.asahi.com/articles/ASP6R6TH5P6POBJB001.html

・中日新聞(2021年6月24日朝刊)12面

2021/06/28

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