文学部創設60周年記念 中京大学文学会春季大会

 中京大学文学部主催「文学部創設60周年記念 中京大学文学会春季大会」が6月20日、中京大学名古屋キャンパスで開催されました。

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 会場には多くの学生や一般の聴講者が来場した

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 開会のあいさつをする中京大学文学会会長・酒井敏教授

 文学部創設60年という記念すべき節目に開催された本大会。中京大学文学会会長の酒井敏教授による開会の挨拶では、複雑化する現代社会において、人と人が分かり合うための基盤となる「人文学」の意義が改めて提示されました。ルールだけでは解決できない事象が増える現代だからこそ、文学や人文学が持つ力を再認識し、次の時代に向けた新たな学びを生み出す場となることへの期待が語られました。

各分野の第一線で活躍する専門家による公開講演会
 本大会の公開講演会では、各分野の第一線で活躍する専門家をお招きし、3つの貴重な講演が行われました。

榎村 寛之 氏(いつきのみや歴史体験館 館長)
演題:歴史と文学の狭間で読む「シン・竹取物語」―平安を生きた最初の読み手になってみよう―

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 子どもから大人までおなじみの「竹取物語」を題材に、作品に登場する人物の名称や設定から、同時代の権力構造や政治的背景がどのように投影されているかを読み解き、物語を単なるフィクションとしてではなく、「情報伝達のメディア」や「歴史資料」として捉えるアプローチを解説されました。知識の有無により、物語の解像度が変わる視点は現代文学、そしてマンガにも共通しているとし、ときおりユーモアを交えながらの楽しい講演となりました。

若尾 政希 氏(一橋大学名誉教授)
演題:本が開いた日本近世 ―本の文化史・思想史研究へのいざない―

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 江戸時代における書物の出版と社会の変容について解説いただきました。戦後長らく歴史資料として軽視されがちだった書物が持つ本来の価値を再評価し、17世紀以降の商業出版の成立によって、農民層を含む民衆にまで読書習慣が広がったことを指摘。それが身分を超えた共通の歴史意識や、「人は天地の子である」といった倫理観・精神構造の形成にいかに深い影響を与えたのかを、具体的な史料を交えて紐解きました。

金水 敏 氏(放送大学大阪学習センター所長)
演題:話体研究の構想 ―役割語、ヴァーチャル方言、翻訳話体―

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 言語学の視点から、フィクション作品における登場人物の話し方についてお話しいただきました。役割語やヴァーチャル方言、翻訳調の言葉遣いなどが、受け手にどのようなキャラクター像やステレオタイプを伝達しているのかを掘り下げました。アニメや小説、近年広がりを見せるゲーム実況などのメディアミックスにおいて、「言葉とキャラクター」がいかに密接に結びついているかが、豊富な実例とともに示されました。

文学部長より、次代を担う学生たちへのメッセージ

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 閉会にあたり、学生へのエールを送った中京大学文学部長・後藤英次教授

 中京大学文学部長の後藤英次教授による閉式の挨拶では、これからの60年を見据えた未来への展望が語られました。「学生の皆さんは、将来専門的な研究の道に進むかどうかにかかわらず、社会のどのような場においても、自ら『調べ、考える』という姿勢を生涯にわたって持ち続けて頑張ってほしい」というエールが送られました。

2026/06/26

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