全日本フィギュアスケート選手権で中京勢が輝く
2025年12月18日から21日にかけて、東京都の国立代々木競技場第一体育館にて、「第94回全日本フィギュアスケート選手権大会」(以下、全日本)が開催されました。今大会は2026年2月にイタリアで開催される、ミラノ・コルティナ冬季五輪(以下、ミラノ五輪)での日本代表としての出場権をかけた大会となりました。また、中京大学の在学生や卒業生、中京大学附属中京高等学校(以下、中京大中京)の在校生から12名が出場し、熱い戦いを繰り広げました。
男子シングルでは、鍵山優真選手(スポーツ科学部4年)が優勝、大会2連覇を成し遂げ、今大会の優勝によりミラノ五輪での日本代表に選ばれました。中田璃士選手(中京大中京2年)は、ジュニアの選手としてただ1人最終グループでの演技となり、4位と好成績を収めました。また、昨年10位と悔しい結果だった山本草太選手(2023年度スポーツ科学部卒)は5位で演技を終え、全員が上位入賞という結果を残しました。



(写真左から) 鍵山優真選手、中田璃士選手、山本草太選手
アイスダンスでは、櫛田育良選手(中京大中京3年)・島田高志郎選手組が2位。今年5月のペア結成から1年経っていませんが、優勝ペアにわずか6.54点差に迫る大きな結果を残しました。
また、浦松千聖選手(2024年度スポーツ科学部卒)・田村篤彦選手組が5位。こちらは今年7月にペアを結成、この大舞台では「大きなミスもなく」と語るほどの確かな手ごたえを掴みました。
女子シングルでは、島田麻央選手(中京大中京2年)がジュニアの選手であるものの、フリーでは難易度の高いトリプルアクセルや4回転トウループに果敢に挑み、最終的に2年連続の2位となるなど、強烈な存在感を残しました。松生理乃選手・河辺愛菜選手(ともにスポーツ科学部3年)はそれぞれ11位・12位となり、揃って大舞台で結果を残しました。また、大学卒業後初の全日本となった山下真瑚選手(2024年度スポーツ科学部卒)は15位、和田薫子選手(中京大中京1年)が19位、アイスダンスとシングルを両立して今大会に臨んだ櫛田選手は20位、大庭雅選手(2017年度スポーツ科学部卒)は25位となりました。



(写真左から) 島田麻央選手、松生理乃選手、河辺愛菜選手




(写真左から) 山下真瑚選手、和田薫子選手、櫛田育良選手、大庭雅選手
ペアで圧倒的な強さを誇る「りくりゅう」こと三浦璃来選手(2024年度スポーツ科学部卒)・木原龍一選手(2014年度スポーツ科学部卒)組は、ショートプログラム直前のアクシデントを乗り越え、非公式記録ながら世界最高得点を叩き出しました。フリーでの演技を棄権しましたが、今大会までの成績によりミラノ五輪への出場を決めました。

三浦璃来選手・木原龍一選手の「りくりゅう」ペア
今回は最終日、女子シングルの選手を取材しました。その中で印象的だったのは、ほとんどの選手が語っていた「滑走中の楽しさ」と「会場の温かさ」でした。浦松選手は、「(アイスダンスでは)初めての全日本を楽しめましたし、良い舞台だなと思いました」と述べました。櫛田選手はアイスダンスとシングルで計4回滑走。「観客の方とも一体となれて気持ちよく滑れました!アイスダンスもシングルも、みなさん温かく応援してくださっていたという印象です」と笑顔で語りました。山下選手は、本来の演技を発揮することができなかったと振り返りつつも、「お客さんがたくさん応援してくださって、あったかい気持ちでした。本当に幸せな舞台だなと思います」と、会場の温かい雰囲気を噛みしめているようでした。
また、松生選手は「(河辺)愛菜ちゃんが、自分が滑る直前なのに私の演技を観に来てくれました。黄金の同期です!」と笑顔を見せます。河辺選手も「(山下)真瑚ちゃんともずっと一緒に練習していて、お互いにジャンプを見合ったりしていますし、今日も二人とも本当に頑張れたと思います」と語り、仲間との絆がそのまま選手自身の強さに直結していることも、中京大学やその関係者がスケートに強い所以のひとつなのではないかと感じました。
取材をしたペアや女子シングルの選手の皆さんが、緊張や不安などの要素を抱えつつも「やり切れました!」と語っている姿もとても印象的でした。全日本は年に1回の大舞台、かつ今大会はミラノ五輪や他の国際大会への派遣が決まるという、緊張感のある舞台すらも自分のものにするトップ選手たちのメンタリティを実感することができました。
また、全プログラムの終了後には女子シングルのメダリストと、ミラノ五輪出場者の記者会見がそれぞれ行われました。女子シングルの会見で島田選手は「私はオリンピックがかかっていなかった舞台なので、緊張しないと思っていました。それでもやっぱりものすごく緊張してしまいましたが、今日はいい演技ができたので、自分に勝てたなと思います」と自身の演技を振り返りました。
続くミラノ五輪出場者の会見では、鍵山選手は「(代表に選んでいただいて)嬉しい気持ちもありますが、自分のやるべきパフォーマンスに集中して頑張りたいです。残りの期間、オリンピックを全力で楽しむためにつらいことや大変なことを乗り越えて、自分自身の持つすべての力を出せるように、トレーニングを積んで頑張りたいと思います」と意気込みを述べました。三浦選手・木原選手はそれぞれ2度目、4度目となるオリンピックについて、「今シーズン前半に積み重ねた練習に確かな自信を持っているので、全力でトレーニングをして、自分たちの持つ目標を達成できるように頑張ります」と述べ、個人戦での優勝に向けての準備を整えました。


(写真左から) 表彰式後の鍵山優真選手、島田麻央選手
開会まで1カ月を切ったミラノ五輪に出場する鍵山選手や三浦選手・木原選手をはじめ、残りの25-26シーズンや来季の試合での中京勢の活躍にもまだまだ目が離せません。
取材 学生広報スタッフ「ライト」
文:青木晟(総合政策学部3年)
写真:スケート部提供