ショートトラック/ミラノ・コルティナ冬季五輪に卒業生が出場
第48回全日本ショートトラックスピード選手権大会が12月13日~14日、東京辰巳アイスアリーナで行われました。既に代表選考基準を満たした選手として代表確実となっていた男女各3人に加え、今大会を得て男子1人、女子2人の代表が決まり、ミラノ五輪代表者計9人が決定しました。

大会1日目は男女の500m、1500m、2日目は1000mが行われ、本学から林康生選手(スポーツ科学部4年)、夏目笑選手(スポーツ科学部3年)、垣波武蔵選手(スポーツ科学部3年)、林大剛選手(スポーツ科学部2年)の4人が出場し、日本代表男子最後の1枠をかけ、終始激しいレース展開を繰り広げました。


林康生選手(写真左)、夏目笑選手(写真右)


林大剛選手(写真左)、 垣波武蔵選手(写真右)
惜しくも在学生からの代表内定には至りませんでしたが、過去に中京大学に在籍していたことがあるトヨタ自動車の平井亜実選手、吉永一貴選手、中島未莉選手が出場します。
五輪代表に選ばれた3人にインタビューを行いました。
平井亜実選手~8年越しの夢、初の五輪へ

20歳の頃から五輪を意識し始めて8年。念願の初出場を決めた平井選手に今の気持ちを尋ねると「率直に嬉しいです」と語りました。年齢とともに体力面などが変化する中で、どう競技力を向上させるかを常に考え、自分と向き合い続けてきた8年間だったといいます。
戦況を見極め後方から一気に首位に立つ「突破力」という強みに加え、現在は自身の「引き出し」が増えてきていると手応えを感じています。本番で瞬時に最適解を出せるメンタル面の余裕も備わりつつあり、精神・技術の両面で進化を続けています。
ミラノ・コルティナ五輪まで残り2か月。趣味の読書でリラックスする時間を大切にしながら、自分と向き合い続けてコンディションを整え、ピークを五輪に合わせていきたいといいます。目標については「自分の力を出し切ることが最低限。リレーではメダル獲得を目指したい」と力強く語ってくれました。
五輪を目指す中京大学の学生アスリートに向けて「中京大学在学中は知識のある教授やトレーナーの勉強に励む友人に囲まれながら過ごした学生生活だった。そうした環境の中で自分の夢に向けて最大限頑張ってほしい」とエールを送りました。
五輪では、外からスピードで選手を追い抜く姿や、巧みなディフェンスで後方の選手をブロックする粘り強い走りに注目です。
吉永一貴選手~3度目の舞台、8年間の集大成~

3大会連続出場となる吉永選手は、「もう一度挑戦できる喜びとともに、気が引き締まる思い」と、これまでの8年間の集大成として今大会にすべてをかける決意を語りました。2024年の6月、8月に病気と受傷によって一度氷上から離れた吉永選手。氷上に立てない時期を前向きに捉え、陸上トレーニングで体幹や股関節の使い方をゼロから見直しました。その成果を氷上の技術に還元し、今では日本トップクラスのスピードを武器とし、五輪ではスピードを活かして相手の選手を抜き去っていくところに注目してほしいと語ります。
中京大学のアスリートたちへは、校訓である「真剣味」という言葉を挙げ、「競技に取り組める環境に感謝しながら、どれだけ全力で取り組めるかが大切。日々の積み重ねが、なりたい姿に繋がるはずです」と、共に高め合う仲間としてエールを送りました。
「五輪に向けてここから自身のコンディションを上げ、体のケアや技術の修正、体力向上に取り組んでいきたい。目指すは"個人団体ともに金メダル獲得"」と強く語りました。
中島未莉選手~エースとしての自覚を胸に、世界の頂点へ~

五輪初出場となる中島選手は、「率直に嬉しい」と喜びを見せつつ、「日本女子のエースとして戦う責任と自覚が芽生え、今はワクワクする気持ちと責任感の両方がある」と心境を語りました。
ここ数年、世界との差を痛感していたスピードや持久力の向上をメインに練習を重ねてきたといいます。今シーズンからカナダのコーチにも指導を仰ぎ、コーナーの入口の繋ぎといった技術面を見直したことで、自身の強みである加速力にさらなる磨きがかかってきているそうです。
初の大舞台に向けては、「選手やコーチから今までとは違う雰囲気の試合になると聞いている。圧に負けないよう準備したい」と気を引き締めていました。「気持ちが滑りに出るタイプ。駆け引きや強気なレースにぜひ注目してほしい」と語り、「個人団体ともにメダル獲得を目指したい」と力強い決意でした。
中京大学のアスリートに向けては、「自分が代表として世界で活躍する姿を見てもらうことで、一緒にスポーツを盛り上げていきたい」とエールを送りました。
ミラノ・コルティナ五輪まで残り2か月、世界に挑む選手たちに今後も目が離せません。
取材 学生広報スタッフ「ライト」
文:柿木結衣 (経営学部3年)