スポーツ科学研究科/井川快斗さん 日本バイオメカニクス学会で若手奨励賞を受賞

 第31回日本バイオメカニクス学会が12月6日~7日にかけて、奈良女子大学で開催され、井川快斗さん(スポーツ科学研究科修士課程1年)が若手奨励賞(ポスター発表の部)を受賞しました。若手奨励賞は今大会で発表された60件の一般発表の中から、若手研究者を対象として口頭発表およびポスター発表から各1件の発表が選出されました。

 井川さんの研究発表は「⾼密度表⾯筋電図を用いた運動単位数推定値算出における適正な運動単位の選定 筋内筋電図法との⽐較」という題目で、これまで侵襲的な方法(身体を傷つける方法)で評価されてきた「運動神経の数」という筋力や筋肉量を決定づける重要な生理指標を非侵襲的な方法(身体を傷つけない方法)によって評価することを試みた研究でした。ポスター発表に先立って行われた2分間のミニオーラル発表では、異なる運動神経を判別する手法を、森に生きる動物の種類を判別する例え話を用いて紹介し、複雑な研究内容を理解してもらえるように努めていました。

 本研究は、指導教員である渡邊航平教授が研究代表者を務める科学研究費補助金・基盤研究B「使って残そう運動神経:プレシニア・シニアにおける運動習慣が運動神経数に及ぼす影響」および本学戦略的研究「運動神経と骨格筋という 2 つの観点から運動パフォーマンスを評価するシステムの構築と応用」の一部であり、京都府立医科大学・能登祐一先生との共同研究として行われました。また、本研究で用いた⾼密度表⾯筋電図はスロベニア・マリボル大学のHolobar教授の研究チームの協力を得て実施され、EUで展開されている大型研究プロジェクトHYBRID NEUROとも紐づいている国際的な共同研究となっています。

渡邊航平教授のコメント

 当該分野全体のレベルが大きく高くなっている中で、このような賞をいただけたことは非常に高く評価できます。受賞された井川さんおよび発表された研究内容の今後の発展への期待を持っていただいているとも捉えることができます。研究室全体で取り組んでいる大きなテーマの1つであるので、ラボメンバー皆で力を合わせて、国際的に発信できる研究を進めていきたいと思います。さらに、国内外を含めて大きなネットワークの中で進めている研究ですので、井川さんは英語でのコミュニケーションを含めて、非常に高いスキルが求められる中で研究を進めています。国際的な場でのさらなる活躍が期待されます。

第31回日本バイオメカニクス学会・若手奨励賞(ポスター発表の部)

『⾼密度表⾯筋電図を用いた運動単位数推定値算出における適正な運動単位の選定 筋内筋電図法との⽐較』

 井川 快斗1)、能登祐一2)、渡邊 航平1)
 1)中京大学、2)京都府立医科大学
 渡邊航平研究室HP

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 授賞式の様子
 (写真左から)日本バイオメカニクス学会会長・伊坂忠夫先生(立命館大学)、井川快斗さん、
 口頭発表の部受賞者・河野さん(京都大学大学院)、第31回日本バイオメカニクス学会大会長・藤原素子先生(奈良女子大学)


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 本研究実施のため2025年2月にスロベニアを訪問した際の様子
 (写真左から)Botic先生(マリボル大学)、井川快斗さん、Holobar先生(マリボル大学)渡邊航平教授、能登祐一先生(京都府立医科大学)

2025/12/12

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