学生が創る次世代ラウンジデザイン発表

 センタービル学生ラウンジ改修プロジェクト「デザイン完成発表会」が11月11日、中京大学名古屋キャンパスで開催されました。本プロジェクトは、現代の学生ニーズに応じたラウンジ空間の再構築を目的とし始動しました。全体のコンセプトは、「価値観の異なる学生が出会い、交流を通じて新たな発想やつながりが生まれる交差点のような場にしたい」という思いが込められた「クロスロード」。学生22人が約半年間にわたり、コクヨマーケティング株式会社・株式会社イトーキ・株式会社丸天産業の3社と協働して進めてきました。

名古屋キャンパスのセンタービルは開学40周年を記念して1995年に完成して以来、大きな改修は行われておらず、今回は約30年ぶりの改修となります。

 開会挨拶では、梅村学園の加藤啓介財務局長から「学生と創るラウンジ」という取り組みの意義が述べられ、学生が主体的に空間設計に携わった点が高く評価されました。発表では緊張した面持ちの学生も見られるなか、各グループが担当フロアのデザインを紹介しました。

 最初に発表したコクヨグループは、8階および6階ラウンジを担当。8階は「Link(つながる・合流する)」をテーマとし、交流を中心とした賑やかな空間として提案しました。中央のS字型ソファーは両面着席可能で、昼食や友人との会話に適しています。右手のボックス席は吸音材により周囲を気にせず利用でき、グループワークなど複数人での利用に向いています。また、既存の自習室にはない特徴として、座椅子エリアが設けられ、靴を脱いで「日向ぼっこ」のようにリラックスできる空間として設計されています。続く6階は「Drift」をテーマとし、ゆったりできる空間を目指しました。大きな机やソファー席に加えて、コクヨのオフィスで体験した「眠れる椅子」を採用することで、集中作業と休息の両立を可能にしています。

20251111-IMG_0302.jpg

 コクヨグループの発表の様子

 次に発表したイトーキグループは7階ラウンジを担当。「Nest for you(みんなのための巣)」をコンセプトに、利用目的に応じた4つの空間を提案しました。入口付近のコネクトエリアは短時間利用向けで、授業前の打ち合わせや待ち合わせに適しています。右手のグループエリアは可動式台形テーブルやボックス席を備え、複数人で会話しながらの利用に適しています。左手のフォーカスエリアは一人利用を想定し、全席にコンセントが完備、また利用者同士の視線が交わらないよう配置された家具により、集中しやすい設計となっています。窓側のリラックスエリアにはハンモックチェアやソファーを設置し、日光を感じながら気軽に休息が取れる空間となっています。フロア中央のコアエリアには緑色の床材とペンダントライトが配置され、このフロアのシンボルとなっています。また、床材の一部には改修前のものを残すことで、サステナブルな視点とともに、過去から新たな世代への思い出の継承という意味が込められています。

20251111-IMG_0308.jpg

 イトーキグループ発表の様子

 最後に丸天産業グループによる6階ラウンジが紹介されました。コンセプトは「panoma(ぱの間)」で、「『ぱっ』とみわたす こころひろがる」という思いが込められています。眺望の良さを活かした自然光を感じられる空間が提案され、廊下側から窓側に向かって明るくなるグラデーションがかかった緑のカーペットが特徴です。椅子には白・黄色・茶色など自然な色が採用され、テーブルも濃色を避けることで、奥の窓に映る景色に視線が向くよう配慮されています。左奥には小上がりスペースが設けられ、床材には畳のような素材を採用、普段より目線が高い状態でリラックスできる空間となっています。さまざまなこだわりが詰め込まれたラウンジには、誰もがふらっと立ち寄りたくなるような、自然と人が集まり活気が感じられる空間になることが期待されています。

20251111-IMG_0364.jpg

 丸天産業グループの発表の様子

 発表を終えたコクヨグループの小西俐美圭さん(心理学部1年)は、「緊張すると話すスピードが速くなってしまうので、ゆっくり話すことを心がけました。また、聞きやすいように文章を簡潔にまとめることが難しかったです」と振り返りました。中野桃花さん(総合政策学部2年)は、「とても緊張しましたが、約半年間頑張ってきたことを伝えることができてよかったです。スライドの順番や話し方を特に工夫しました。伝えたいことが多い中で、いかにわかりやすく、聞いている人を飽きさせないかを考え、ぎりぎりまで試行錯誤しました」と話しました。

 ラウンジは2026年3月に完成予定で、同月30日にお披露目会が開催される予定です。完成後は、学びと交流を支える中京大学の新たな拠点としての活躍が期待されます。

20251111-IMG_0421.jpg

取材 学生広報スタッフ「ライト」

 文・写真:冨田晴暉(経営学部3年)

2025/12/08

  • 記事を共有