中京大学スケート部、カルガリー大学の学生と合同練習で切磋琢磨

 2025年6月2日から14日までの2週間、カナダのショートトラックチームが中京大学アイスアリーナを訪れ、トヨタ自動車・中京大学チームと合同練習を行いました。カナダチームは約20人で来日し、その多くがカルガリー大学の学生です。中京大学はカルガリー大学と学術交流協定を結んでおり、選手同士の国際交流の場ともなりました。中京大学のアイスアリーナは競技別強化拠点施設にも指定されており、選手がリンクサイドの壁に接触して危険な状態になることを防ぐためフェンスレスの仕様になっています。怪我のリスクが少なく、安心してスピードをだせる環境が整う中京大学のリンクで、今回合同練習が開催されました。

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 練習後、カナダ・カルガリー大学のオーエン・カリー選手(Owen Currie)にお話を伺いました。

 オーエン選手は今回の合同練習について、「異なる国のトレーニング方法に触れられる貴重な機会であり、とても楽しかった。大変だったが、充実した時間だった」と語ります。日本語にも挑戦し、中京大学の選手とも積極的にコミュニケーションをとったとのこと。「中京大学の選手は皆、親切でフレンドリーでした」と、リンク外での交流を振り返りました。中京大学での練習では、練習量の多さや低姿勢での滑走フォームに驚かされたといいます。「日本のスピードスケートは非常にレベルが高い。練習時間も長く、周回も多くて、とてもハードだった」と感想を述べました。

 現在、オーエン選手はカルガリー大学で経営法を専攻しており、キャンパス内にはスケートリンクも併設されています。「リンクまで徒歩で移動できるため、学業と競技の両立がしやすい環境」と話します。

 最後に、ショートトラックの魅力について尋ねると、「スピード感、戦略性、そして選手同士の駆け引きが好き。それがこの競技の魅力!」と語り、「将来はカナダでトップ20入りを目指したい」と笑顔で今後の目標を明かしてくれました。

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 インタビューに応じるオーエン選手

 中京大学スケート部の坂下里士コーチ(トヨタ自動車)にも話を伺いました。坂下コーチは、ハードな練習を終えた後も互いを称え合い、次のセクションへと気持ちを切り替えて臨む選手たちの姿勢を評価。「今回の合同練習は、選手たちに新たな気づきを与える良い機会になったのでは」と語ります。

 来日したカルガリー大学のコーチ陣とも交流を深め、トレーニングプログラムの組み立て方や、選手一人ひとりへの接し方について意見を交わしたとのこと。「カルガリー大学の選手たちは、自ら雰囲気をつくり出し、切り替えもうまい。普段の練習とは異なる刺激になった」と振り返りました。また、今回の合同練習を通じて、選手たちが言語や文化の壁を越えて、世界の仲間たちと自然にコミュニケーションを取れるような人材に成長してほしいと期待を寄せました。

 最後に、オリンピックイヤーである今年について「すべての選手に平等にチャンスがあるからこそ、目標を高く持ち、日々の練習に励んでほしい」とエールを送りました。

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 オーエン選手(左から3人目)、阿部恵大選手(同4人目)、坂下里士コーチ(右から1人目)

 中京大学スケート部主将の阿部恵大選手(スポーツ科学部4年)は、今回の合同練習について「とても楽しかった」と笑顔で語りました。1周約111メートルのトラックを何度も周回するハードなトレーニングではあったものの、「気持ちを落ち着けて滑ることができた」と手応えを感じた様子。練習後には、カルガリー大学の選手と「お疲れ!」とグータッチを交わしながら互いを称え合う場面もあり、「頑張っていると実感できてうれしかった」と振り返ります。

 普段は集中力を切らさず取り組む中京大学の練習とは異なり、カルガリー大学の学生たちとの練習は明るく、雰囲気の違いが新鮮だったといいます。「表情が明るく、楽しそうに滑っていたのが印象的だった」と阿部選手。練習中も積極的に言葉を交わし合い、互いに励まし合うことで、自分の限界に挑戦できる充実した時間になったと話します。

 ショートトラックの魅力については、「駆け引きや戦略がうまくハマり、順位が一気に入れ替わる瞬間が楽しい。見ている側も楽しめる競技」と語りました。「スピードが速くて怖さもあるが、いかに身体でそのスピードに耐えるかが勝敗を分ける」と、競技の奥深さにも触れました。

 今後の目標を尋ねると、「オリンピック出場」と力強く回答。「チーム全員で世界を目指して練習を重ねていきたい」と、チームの成長にも意欲を示しました。

 中京大学スケート部、そしてカルガリー大学の選手たちのさらなる活躍に、今後も注目です。

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企画・制作 学生広報スタッフ「ライト」

  •  文:石井莉子(文学部4年)
  • 取材:桑原一貴(経済学部4年)
  •    石井莉子(文学部4年)

2025/06/24

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