小学生への水泳授業支援を通じた地域連携の新たなモデル
中京大学では、2025年5月から豊田市と連携し、市内の小学生を対象とした水泳授業支援事業を実施しています。
豊田市内の多くの小学校では現在、猛暑による熱中症リスクの高まりやプール設備の老朽化、さらに水泳指導者の確保が困難になるなど、水泳授業の継続が難しくなっているのが現状です。そこで本学では、スポーツ分野で培った専門性と人的資源を活かし、地域の教育支援に貢献するべく本事業を立ち上げました。
本事業は、今年は伊保小学校および四郷小学校の全学年(1~6年生)計756名を対象に、延べ3,735人の児童へ水泳指導から始めました。授業は週3回(月・水・金)のペースで行われ、各クラスには5回の指導機会を設定。指導は各小学校の教員が作成した授業計画をもとに、本学の水泳部員が児童一人ひとりの習熟度に応じた丁寧なサポートを行いました。
6月9日に最終日を迎えた伊保小学校の茂木校長から、水泳部主将の宇野莉奈選手(スポーツ科学部4年)へ感謝状を手渡していただき、次のような声が寄せられました。
「中京大学での水泳授業では、水泳部の学生の皆さんが伊保小学校児童に水泳の楽しさを十分に教えてくださいました。また、バタ足、クロールの腕の使い方、平泳ぎのキックなど、専門的に教えてくださり、教育的効果の高い1か月間でした。ご指導をありがとうございました。」
また、同小学校教員からも次のような感想がありました。
「今年度は、中京大学のプールを使用しての授業ということで、とても楽しみにしている児童が多くいました。個に応じた分かりやすいご指導をしていただき、児童にとって、とても充実した時間となりました。ありがとうございました。」
このように、教育現場からの反応は非常に好評で、児童たちは楽しみながら技術を学び、自信を持って水に親しむようになっています。
6月17日には児童に水泳の指導をした2025世界水泳日本代表の西小野皓大さん(スポーツ科学部4年)と佐々木祐一郎コーチ(スポーツ振興部)の2名が伊保小学校に招待され、激励会を実施していただきました。
全クラスと校長室をオンラインでつなぎ実施された激励会は、児童の進行で進み、水泳授業の御礼と共に世界水泳へ向けた激励メッセージを児童代表の6年生からいただきました。
西小野さんは「この授業を通して水泳を好きになってくれたらという想いで参加したが、逆に皆さんから元気をもらいました」と感謝を述べると共に世界水泳での抱負を力強く語られました。
本取り組みは、大学が主体となって地域の教育課題に直接貢献する、全国的にも先進的な社会連携モデルで、水泳の専門技術をもつ学生が教育現場に入ることで、安全かつ実践的な指導が可能となり、教育現場の負担軽減にもつながっています。
本学は今後も、こうした地域との連携を通じて、子どもたちの安全と健やかな成長を支える教育環境の充実に努めてまいります。