心理学部/2025年度 心理学部学術講演会を開催
心理学部は6月9日 、日本たばこ産業株式会社 --JT-- D-LAB マネージャーの林大輔さんをお招きし、学術講演会 『「つながる」心理学』 を開催しました。心理学部の学生や教員を中心に、他学部からも学生・教員が参加し、講演会は盛況のうちに終了しました。
講師紹介
林さんは東京大学で博士(心理学)を取得後、同大学特任研究員、愛知淑徳大学助教を経て、2019年にJTに入社されました。現在は、まだ見ぬ「心の豊かさ」を研究・探索・創造するコーポレートR&D組織「D-LAB」にて、マネージャーを務めており、「声」にかかわる研究を精力的に推進しつつ、 多領域と連携した「声遊楽プロジェクト」を主導されています。
講演概要
講演は、林さんご自身のキャリア紹介から始まりました。学生時代の「心理物理学的研究」から、声優事務所と連携した「声優の演技音声に関する研究」、さらにJT入社後に取り組まれた感性研究や安全衛生・心理的安全性に関する取り組み、そして現在のD-LABにおける心理学、工学、哲学、社会学などを横断する「声遊楽プロジェクト」へ結実するという、林さんご自身のキャリア全体をつらぬく「つながり」を意識した一貫したストーリーが示されました。
講演中、林さんはご自身の研究や業務について楽しそうに語られ、参加した学生に大きな刺激を与えました。特に「興味関心を突き詰めることの大切さ」と「心理学は社会のあらゆる場面とつながり、新たな価値を創出できる」というメッセージが強く印象づけられました。
質疑応答では、学生から次々と質問が寄せられ、活発な議論が展開されました。本講演は、心理学の枠を越えて協働することの大切さと醍醐味を体感できる機会ともなり、学生たちの研究への意欲や探究心、キャリア形成への意識をいっそう高めました。
学術講演会に参加した学生の声
則藤 慧佑さん (心理学部3年生)
「「つながる」心理学とは何だろうかと、疑問を抱きつつ参加した講演会でした。ゼミの先生に薦められて参加をしたものの、正直に言えば、最初はあまり乗り気ではありませんでした。しかし、林さんが取り組んでこられた視覚研究や聴覚研究、JTでの心理的安全性に関する取り組み、そしてD-LABでの活動などのお話はどれも興味深く、多くことを学ぶことができました。特に、「今まで行ってきた心理学の研究や業務が、工学や哲学といった様々な分野とつながり、自分の知らなかったことを知ることができた。」という言葉が強く印象に残りました。この「他とのつながり」は林さんだけでなく、自分も社会に出てから体験していくのだろうと思い、自分の将来が少し楽しみになりました。今回林さんから、心理学の研究や業務の知識についてはもちろんですが、その研究や業務への向き合い方、生き方なども含め、多くのことを学ぶことができました。」
心理学部は、第一線で活躍する研究者や実務家の方々をお招きし、定期的に学術講演会を開催しています (過去の学術講演会一覧)。今後も学生に良い刺激を与える講演会を企画してまいります。
(文章: 心理学部 応用心理学領域 宮崎由樹)