小林大起さんと橋本学教授がIE賞を受賞
電子情報通信学会 画像工学研究会(IE)

 電子情報通信学会の画像工学研究会(IE)が3月13日〜15日に開催され、小林大起さん(工学研究科博士課程2年・橋本研究室)と橋本学教授の共著論文が「IE賞」を受賞しました。受賞論文名は「正常特徴量の正規性制約を用いた事前学習に基づくPaDiMによる高精度異常検知」です。

 電子情報通信学会 画像工学研究会(IE)は、画像処理技術に関する研究の情報交換や発展を目的として、毎年開催されています。採択された研究論文の中から、厳正なる審査の結果、今回の受賞が決定しました。

研究概要

 外観検査の自動化を目的とした、新たな機械学習手法を提案しました。近年では、一般的なタスクを解く機械学習モデルを構築し、その後、現場のタスクを解くようにモデルを追加修正する2段階の方法が提案されています。本研究では、1段階目から2段階目に切り替わる際に生じる変化を緩和するための手法を提案し、異常検知の性能を向上させることができました。

コメント
小林大起さん

 今回、IE賞という輝かしい賞をいただき、大変嬉しく思います。従来の画像検査では、一般的なタスクを解くための学習と、現場のための学習を分けておこなっており、それら2つの学習の間に存在するギャップについてはあまり論じられていませんでした。今回受賞できたのは、そのギャップを埋めるという新たな見方からアイデアを提案でき、論文を通してわかりやすく伝えることができたからだと思っています。今後も、さらなる高みを目指して、研究を進めていきたいと思います。

橋本学教授

 画像検査、異常検知という分野は、産業界でも古くから強いニーズがある重要分野です。近年のAI技術の急速な発展を受け、当研究室でも数年前から同分野に注目し、小林君とともに研究室内に有志チームを作り、精力的に研究してきました。今回、IE研究会というこの分野の専門家が集まる研究会で受賞できたことは、たいへん嬉しく思っています。今春からは、このテーマに関連して大手企業との共同研究も開始するため、さらに強力に研究を推進する予定です。

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2024/04/09

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