工学部野浪亨教授の研究チーム、研究成果説明会を開催 2つの機能を持つ新規材料を開発

 工学部野浪亨教授の研究チームは1月18日、光触媒活性を向上させる光触媒(※1)とアパタイトの複合化方法を開発し、この研究成果について説明会を開催した。

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説明会の様子

 この研究で用いた酸化チタン光触媒は、紫外線で空気中の水分と酸素から活性酸素を作り、これが有機物・汚れ・臭いを分解する作用があるため、塗料などの建築材料、化粧品やデオドランド剤など、産業的に用いられている光触媒だが、これまでの酸化チタン光触媒の難点は、紫外線のエネルギーしか使えないため、屋外など強い紫外線の当たる場所でしかその機能が発揮できないという点だった。

 しかし、今回の研究により、吸着能のある球状多孔質アパタイト(マリモアパタイト:商標登録申請中)に分解能のある酸化チタン光触媒を担持(※2)した複合材料を合成することで、蛍光灯程度の弱い紫外線強度でも光触媒活性を示すこと、また、光照射を停止しても光触媒反応が持続することを確認。吸着能と分解能の2つの機能を持つ新規材料を開発した。

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マリモアパタイト

 野浪教授は今後の実用化の展望として、「酸化チタンを担持した球状多孔質アパタイトは弱い紫外線下でも使用できます。可視光反応型光触媒との複合化の可能性もあり、生体になじみが良く無害なため食品添加物や薬品、化粧品としても応用が可能です。さらに、多数の孔を有しているためこの孔に他の機能を持つ材料を担持することにより、光触媒だけでなく、芳香剤や、薬品材料等さまざまな物質と複合化が可能です。多方面の分野で商品化が期待できるので、企業と共同し商品開発を行っていきたい」と話した。ファンデーションなどの化粧品や日焼け止め、デオドランド剤など様々な分野に応用が可能としている。

 その他にも、野浪教授の研究チームは、赤潮や藻の発生原因となっているリンを吸着する能力が極めて高い新セラミックス材料の開発に成功しており、新聞等で発表している。

 ※1:光を照射することにより化学反応を促進する物質の総称

 ※2:粉末状の触媒を担体に固定すること

 記事はこちら→https://www.chukyo-u.ac.jp/news/2016/07/010869.html

 論文発表(2017年12月発刊);一般社団法人 日本MRS(英文名;The Materials Research Society of Japan)「Transactions of the Materials Research Society of Japan」Vol42. 6号=写真下=

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