工学研究科/加藤海渡さんに学長賞 昨年に続き受賞
加藤海渡さん(工学研究科博士後期課程3年)は6月27日、学長賞を受賞しました。
表彰の様子
加藤さんは2024年度電子情報通信学会で奨励賞を受賞。その成果が称えられ、今回学長賞を受賞しました。電子情報通信学会は、電子・情報・通信をカバーする国内最大級の学会です。今回の加藤さんが受賞した奨励賞は、総合大会における発表を選奨委員会が審査し、発表件数の1.5%を上限として33歳未満の研究者・学生を対象に贈られる賞です。
加藤さんは、昨年度も2024年電子情報通信学会NOLTAソサイエティ大会で奨励賞を受賞し、学長賞を受賞しています。
今回の受賞研究は、時系列データのみから理論的に分岐点を導出可能なデータ駆動型の手法の提案です。提案手法は、Extreme Learning Machine(以下、ELM)と呼ばれるフィードフォワード型ニューラルネットワークを用いて、N次元の時系列データを学習し、学習済みのELMに対して直接的に分岐点導出法を適用することで、広いパラメータ空間における分岐点の導出を可能としています。具体的には、時系列データの学習器としてELMを採用することで、回帰型ニューラルネットワークでは困難であった変分方程式の解析的な導出を実現しています。
加藤海渡さん(写真左)と梅村清英総長・理事長、学長(写真右)
加藤さんは、「大学3年生から研究室に配属され、これまで研究を続けてきました。当初から研究テーマは変わっていますが、これまで取り組んできた全ての研究内容が現在の研究にも活かされ、今回の受賞につながったと思います」と、これまでの歩みを振り返りました。また、「髙坂拓司先生の手厚いご指導のおかげで、本当に充実した研究生活を送ることができています」と、指導教員である髙坂教授への感謝の気持ちも語りました。
指導教員の髙坂拓司教授(写真左)と研究内容を振り返る加藤海渡さん(写真右)
博士課程修了後は、アカデミックキャリアへの道を考えている加藤さん。髙坂教授は、「加藤さんは自立した学生で、研究にも熱心に取り組んでいます。彼の将来のキャリアを見据え、これからも指導していきたい」とコメントしました。
梅村清英学長は、「学長賞の受賞、おめでとうございます。博士論文の提出も控えていると思いますが、これまで積み重ねてきた成果をまとめあげることは、非常によい経験になるでしょう。体調管理に気をつけて、頑張ってください」と激励の言葉を送りました。
(写真左から)髙坂拓司教授、加藤海渡さん、梅村清英総長・理事長、学長