地域と共に健康を支える取り組み スポーツ科学部草薙健太ゼミが高齢者向け健康プログラムを実施

 1月22日と29日の2日間、スポーツ科学部の草薙ゼミの3年生が「福祉の里レインボープラザ」にて、高齢者約30名を対象とした健康増進講座を実施しました。この講座は「心と体の健康」をテーマに、学生が企画から運営まで主体的に取り組んだ点が大きな特色です。

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 講座は、健康維持に必要な運動の効果や心身への影響について、学生が作成したパワーポイントを用いた約10分間のプレゼンテーションからスタートしました。スポーツ科学部での学びや部活動での経験を活かし、高齢者にも分かりやすく、日常生活に役立つ内容が盛り込まれ、健康意識の向上を図る内容となりました。

 プレゼンテーションに続いて行われた運動プログラムは、学生が考案した内容で構成され、どれも高齢者が安全かつ楽しく取り組めるよう工夫されていました。若者文化を取り入れたユニークなプログラム「アイドルオタクダンス」では、発光剤入りのスティックを持ちながら音楽に合わせて体を動かし、楽しみながら運動を行いました。お孫さんとの会話のきっかけ作りになることを狙い、健康講座終了後も家族間でのコミュニケーションを促進する内容として好評を得ました。

 さらに、座ったままで行うバレーボール形式の運動「シートバレー」は、高齢者とゼミ生がチームを組み、安全に楽しみながら、チームワークの大切さを感じられる内容でした。会場は笑顔と笑い声に包まれ、大いに盛り上がりました。

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 講座の最後には、学生と参加者による対話型の質問コーナーが設けられました。大学生の生活や興味についての質問から、体や運動についての疑問、日常生活の工夫や家族との交流に関するエピソードまで、幅広い話題で交流が深まりました。このやり取りを通じて、参加者には運動の楽しさを再確認してもらい、学生にとっても新たな学びと気づきの機会となりました。

 また、講座の前後にはアンケート調査が実施され、参加者の感情の変化を測定しました。その結果、「次回の開催を望む」との声が多く寄せられ、講座後にはポジティブな感情が大きく向上することが確認されました。これらのデータは、今後の活動の参考にするとともに、学生らの卒業論文としてまとめていく予定です。

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 ゼミ生代表の高取恭平さん(スポーツ科学部3年生)は、「今回の健康講座を通じて、地域の皆様とのふれあいや実践的な活動を通じて、『健康づくりに貢献することの意義』を肌で感じることができました。スポーツ科学部での学びを活かし、自らが企画・運営することで、運動や健康についてどのように伝えれば分かりやすく、楽しく、そして効果的に届けられるのかを考え抜いた経験は、今後の大きな財産になると感じています」と振り返ります。さらに、「将来は教員として、子どもたちに運動の楽しさや健康の大切さを伝えていきたい」と語り、学生のうちから主体的に地域に関わり、現場で学ぶ重要性を再認識したと述べました。高齢者の方々と一緒に運動する中で、年齢や立場を超えたコミュニケーションの楽しさや、チームで何かを成し遂げる達成感を味わえたことも大きな収穫だったといいます。この経験を活かして、地域とともに健康を支える活動に積極的に取り組んでいきたいとの意欲を示しました。

2025/03/24

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