藤井聡太七冠の師匠・杉本昌隆八段による公開講座が開催
中京大学公開講座「文化・芸術・教育シリーズvol.60」が2月28日、名古屋キャンパス清明ホールにて開催されました。『究極の〝勝負の世界〞AI時代に将棋から学ぶ人間味~』と題した同講演では、藤井聡太七冠の師匠、杉本昌隆八段を講師に招き、自身も大の将棋ファンという内田俊宏 梅村学園常任理事・中京大学経済学部客員教授が聞き手を務めました。
杉本昌隆八段
内田俊宏
杉本昌隆八段による講演をということで、定員500名に対して700名近い応募があり、さらに地元マスコミも取材に訪れるなど、将棋人気、そして杉本八段への関心の高さが伺えました。
講演前半では「満21歳の誕生日までに奨励会の初段になれない場合は退会」などプロ棋士になるまでの道のりが非常に厳しく狭き門であることや、8大タイトル戦についてなど将棋初心者にもわかりやすい内容から進められました。旧知の仲という杉本八段と内田理事ならではの軽妙なやりとりに、会場からはときおり笑い声が起こりました。
後半では杉本八段が心がけていることとして、①個性の違いで指導を変える、②モチベーション維持に必要なこと、③一門以外の若手と対戦させる、④スランプのときの声かけ、⑤デジタル機器の活用を挙げました。さらに「"弟子"という言葉でひとくくりにせず、一人ひとりの個性を見極めることを大事にしています。負けた理由は本人が一番わかっていて孤独なので、『あの手が悪かった』などは言わないようにしています。自分の失敗談を話すこともあります」など、つい見失いがちなコミュニケーションのポイントを解説しました。
講演の最後に「AIもそうだが、新しいものが出てくるとき、大人はつい「それってどうなの?」と眉をひそめてしまいがち。ただ、新しいものが出てくるのには何かしらの理由が必ずあります。ポジティブな気持ちで受け入れていくことが大事なのではないか。そういった柔軟な姿勢が、結果としてZ世代、AIネイティブの世代と上手に付き合っていけるポイントとなるのでは」と語り、会場は大きな拍手に包まれました。
運営サポート
学生広報スタッフライト
司会:内田彩巴(現代社会学部3年)
受付・撮影:桑原一貴(経済学部3年)