Tリーグ・京都カグヤライズと契約した花井可奈選手に単独インタビュー
中京大学卓球部として初のプロ選手として、Tリーグ・京都カグヤライズと選手契約を締結した花井可奈選手(スポーツ科学部4年)。その挑戦の裏側やこれまでの歩みについて、花井選手と卓球部の松山賢一監督に学生広報スタッフ「ライト」が取材しました。
卓球を始めた原点
-花井選手が卓球を始めたきっかけを教えてください。
花井選手:両親が卓球好きで、家に卓球台があったことがきっかけです。
-今まで影響を受けた出来事はありましたか。
花井選手:高校3年生の頃にコロナ禍でインターハイがなくなってしまったことです。高校3年間の全てをかけてやってきたのに、それをぶつけるところがなくなってしまって、一回どん底に落ちてしまったのですが、大学になってまた1から始めようと思うきっかけにもなりました。
中京大学の卓球部
-なぜ中京大学の卓球部を選ばれたのですか。
花井選手:中学・高校と6年間東京にいたのですが、元々地元が愛知県で、愛知に帰ってきたいと思い中京大学の卓球部を選びました。
-チームメイトや監督さんとはどのような関係性ですか。
花井選手:松山監督はとても親身になって選手のことを考えてくださっています。チームメイトとはとてもいい雰囲気でお互いに高め合うような関係です。
-現在はどのような課題に取り組んでいますか。
花井選手:試合でどういう技術で戦いたいか、どういう戦術を立てるべきか、相手の対策をどうすべきかなど、とにかく試合で自分の技術を全て出せるような準備をしています。
-どのようにして試合の対策をしていますか。
花井選手:他の部員で過去に対戦したことがあったらその人に聞いてみたり、動画を見て戦術を考えたりしています。
花井選手の卓球
-自身のプレースタイルや強みを教えてください。
花井選手:サーブを少しわかりづらくしていることや、フォアハンドで自信を持って攻めています。バックハンドは他の選手があまり使わないような異質なラバーを使って、それで相手を困らせてフォアハンドで決めるプレースタイルです。
-サーブはどう特徴的なのですか。
花井選手:同じモーションで違う回転を出したり、同じ回転でも強めにしたり弱めにしたりなど、何十種類も何百種類もバリエーションがあります。
-道具(ラバー)が異質だとお伺いしましたが、どのようなこだわりがありますか。
花井選手:裏ソフトと呼ばれるツルツルのラバーが一般的なのですが、私のラバーはぶつぶつしていて無回転が出せるので、相手は回転をかけて返さないといけません。
-いつ頃からそのラバーを使っているのですか。
花井選手:昔から異質(ラバー)は使ってはいて、それまでは少しだけナックル(無回転)になる粒の低いラバーを使っていたのですが、あまり勝てませんでした。そのようなときに、監督と話をして粒を少し高くしてみようということで大学2年生の時に変えました。
-自身の弱点や課題は何ですか。
花井選手:課題はレシーブです。卓球は2本交代でサーブレシーブを行うので、自分がサーブの時はいいのですが、レシーブの時に甘いレシーブをしてしまうと3本目に決められたりするので、そこをもう少しなくしていければいいかなと思います。
プロへの道
-プロ契約をした経緯を教えてください。
松山監督:京都カグヤライズの監督とチームの社長からお声かけいただき、ぜひ来てほしいということだったので、サインしました。全員が強い選手なので、すぐに試合に出るわけではないのですが、育成という意味合いも少しあります。
-元々プロになりたいと思っていましたか。
花井選手:プロになりたいとは思っていましたが、届かないと思っていたので松山監督から聞いた時は正直びっくりしました。
-プロに入って挑戦したいことはありますか。
花井選手:やはり強い選手と試合ができる機会があるかもしれないので、その時は勝つぐらいの気持ちでチームに貢献できるようにしたいです。
今後について
-今後の目標を教えてください。
花井選手:まずは実業団に行くので、実業団の試合でシングルはランク入りできるぐらいに、団体戦もチームに1勝でも貢献できるようにしたいです。
-後輩に期待することはありますか。
花井選手:人によってそれぞれの目指す所は違うと思うので、自分の夢や目標に向かって頑張って欲しいです。
花井選手は松山監督も認めるほどの「積極的な性格」の持ち主。挑戦し続けるその姿勢は、多くの後輩にも大きな励みとなるでしょう。卓球部初のプロ選手誕生という大きな一歩をきっかけに、次の世代がどのように成長していくのかも注目されます。花井選手、そして卓球部のこれからの活躍に期待が寄せられます。
取材
学生広報スタッフ『ライト』
文:大石和佳奈(経営学部3年生)
写真:園田真那斗(現代社会学部3年生)