スポーツ科学部/中西純教授 日本ベジタリアン学会で受賞
日本ベジタリアン学会第24回大会が11月17日に大阪市で開催され、スポーツ科学部の中西純教授がプレゼンテーション賞を受賞しました。同学会は、菜食および菜食に関わる領域(健康、栄養、医学、環境、社会、生活、倫理、等)の学術研究の発展と啓発に資することを目的としています。中西教授は、一般公演で「ネパール人上位カーストを対象とした摂取食物の比較」を発表しました。研究の詳細は、以下の通りです。
研究目的
ネパールは未だにカーストが社会的習慣として残存し、特に菜食主義者が肉類の摂取を制限している。また、国民の約8割がヒンドゥー教信者であり、信仰による食事の可食・不可食の基準や浄・不浄の観念がある。この典型的な食習慣や社会構造で生育する子どもの発育状況を調査すれば発育学の発展に寄与することができると考える。本研究では上位カーストの菜食と非菜食の子どもの摂取食物を比較検討した。
研究方法
調査は2023年2月~3月に実施し、摂取食物頻度を「毎日摂取」、「1週間以内に摂取」、「1か月以内に摂取」に分け質問紙調査を実施した。調査対象者は上位カーストで乳製品を摂取するラクト・ベジタリアン(男子71人、女子74人)と上位カーストのノンベジタリアン(男子411人、女子406人)。年齢は上位カーストの男子が10歳~19歳、女子は9歳~18歳、ノンベジタリアンは男女とも8歳~19歳であった。調査地はタライ平原のバグマティ州チトワン郡であった。統計処理はエクセル統計 4.07( Bellcurve for Excel) を使用し独立性の検定を行った。有意差が確認された場合、残差分析を実施した。欠損値は全て対象から除外し、有意水準は5%とした。
結果
摂取食物頻度を上位カーストのベジタリアンとノンベジタリアンで比較したところ、主食の米は差が検出されず、男子においては水牛乳を1週間以内に摂取したベジタリアンが有意に多く、オレンジを毎日摂取したノンベジタリアンが有意に多かった。女子においては、コンニャク芋を毎日摂取したベジタリアンが有意に多かった。パイナップルは毎日摂取したベジタリアンが有意に多く、1カ月以内に摂取したノンベジタリアンが有意に多かった。人参とキャベツは毎日摂取したノンベジタリアンが有意に多く、1週間以内に摂取したベジタリアンが有意に多かった。