第77回西日本学生陸上競技対校選手権大会で中京大学陸上競技部が男子優勝、女子3位の好成績

IMG_E2286.JPG

 第77回西日本学生陸上競技対校選手権大会(以下、西日本インカレ)が7月5日~7日にかけて福岡県博多の森陸上競技場にて行われました。中京大学陸上競技部は、男子が優勝し、女子が3位と優れた成績を収め、昨年優勝した福岡大学に競り勝ち、総合優勝を果たしました。

 今回は、勢いに乗る陸上競技部について、眞鍋芳明監督と男子主将の町田裕輝選手(スポーツ科学部4年)、女子主将の大菅紗矢香選手(スポーツ科学部4年)、男子100mで優勝した山田晃佑選手(スポーツ科学部3年)、女子100mで優勝した森下愛梨選手(スポーツ科学部2年)にそれぞれ取材しました。

 眞鍋芳明監督

IMG_E2289.JPG

 西日本インカレ前の取材では「一番の目標は日本インカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)で総合8位入賞を果たすこと。西日本インカレは通過点」と話していた眞鍋監督。西日本インカレでの結果については、「想像以上に良かった」と述べ、「全国レベルで戦える記録で勝っていることを評価したい」と手応えを感じているようでした。

 また試合前には「その日強い者が勝つんだぞ」と選手に伝え、「それを選手たちがみんな体現してくれた。皆が自己記録を出し、決勝、表彰台、優勝と上がってきてくれた。選手はよく頑張ってくれた。」と選手たちを称えていました。

 日本インカレについては「総合8位入賞」を目標に掲げ、「関東の試合でなかなか全体の応援ができない中での勝負になるが、関東の歴史ある大学に、我々も東海地区、西日本でナンバー1のチームとして、存在感・爪痕をしっかり残したい」と語りました。

 町田裕輝選手

IMG_E2276.JPG

 昨年の西日本インカレ三段跳びで優勝した町田選手。今年は「風の影響もあり、助走に苦戦した」そうです。それでも「3本目から徐々に慣れてきた」と、最終的にはベストから1cm差の15m73cmで4位入賞を果たしました。昨年よりも10cm良い記録での4位でした。「連覇も考えていたが、まずは楽しむことを念頭に跳んだ」とし、「怪我の影響でなかなか去年よりも練習が積めていない中での記録だったので結構よかった。及第点です」と振り返りました。

 次なる目標は日本インカレです。昨年の日本インカレは肉離れで棄権となった町田選手。スタンドから一緒に出場するはずだった先輩を「半分応援したいけど、半分見たくないという気持ち」で眺めていたそうです。それだけに「今年は学生最後の日本インカレ、今年こそやらないといけない」と意気込みました。それでも「気負いすぎると気持ちだけが先行して動きと気持ちがバラバラになって跳べなくなることは過去の経験から分かっている」と冷静に述べました。

 町田選手は全国の舞台で「まだ跳んだことがない」という16mを目指します。「16mが表彰台のラインになってくる」とも話しており、16mを跳んだ先に表彰台を見据えています。

 大菅紗矢香選手

IMG_E2292.JPG

 今回は100mハードルのみの出場となり、準決勝敗退という結果に終わった女子主将の大菅選手。ケガの影響で七種競技に出る回数を制限しており、今回は専門の七種競技ではなく得意としている100mハードルで、専門の選手たち相手に戦いました。そんな今回の大会を「チームに貢献できなかったのは悔しいですが、個人としてはしっかりと戦えたので、悔しさもある中で自信もつきましたし、変化を得ることができた大会だった」と清々しい笑顔で語ってくれました。

 今回、大菅選手が出場できなかった七種競技で同じ中京大学の饗庭奈々美選手が優勝したことについて「饗庭選手は普段から一緒に練習していて、自分が怪我で苦しい時にも支えてくれた偉大な先輩なので勝ったときは泣いて喜び合いました。ただ、自分も負けないようにと危機感を感じました。それでも嬉しさのほうが強いです」と明るい表情で話してくれました。

 大菅選手は日本インカレに向けて「この夏は投擲種目と800mの強化を暑い中でも泥臭く自分を全力で追い込みたい」と語ってくれました。日本インカレで夏を乗り越えてさらに強くなった大菅選手の姿を見るのが楽しみです。

 山田晃佑選手

IMG_E2277.JPG

 男子100mで優勝した山田晃佑選手。準決勝で自己ベストを更新する10秒29を記録し、中京大学記録(10秒28)に迫る走りを見せました。その今大会を「10秒44が当時のベストだったので、まさか10秒29まで出るとは思っていなかった。競技者としてレベルが上がったと思える試合になりました」と振り返りました。優勝のゴールテープを切った瞬間は「覚えていない」というが、「感情が溢れ出ました」というガッツポーズはとても印象的でした。

 昨年の西日本インカレでは3位だった山田選手。今年優勝できた要因については、昨年から就任した中山コーチの指導を受け、練習内容や意識が変わったことが大きかったと語ります。「中山コーチの練習メニューの立て方はエビデンスベースで、選手の意見を尊重してくれたり、一人ひとりの課題点を明確にしてくれたりしました。中山コーチのおかげで優勝できた」と、コーチとの強い信頼関係が垣間見えました。

 山田選手の日本インカレでの目標は「決勝進出」です。「ここ3年間短距離男子としては決勝に残れていないので、まずは決勝に残るということを目標にして、その中で10秒28の記録を抜ければ」と意気込んでいます。

 「必ず決勝に残り、10秒28の記録を抜く」という山田選手の強い意志とそれを支える信頼できるコーチの存在。日本インカレでの山田選手の活躍に、ますます期待が高まります。

 森下愛梨選手

IMG_E2274.JPG

 今回女子100mで優勝した森下愛梨選手。西日本インカレ前、U20日本選手権で11秒75の自己ベストを出して臨んだ今回の西日本インカレは、予選からタイムを徐々に上げていき、決勝では追い風参考記録ながら11秒61というタイムで見事優勝を果たしました。大会を振り返って「優勝を目標としていたので優勝できてよかったです。大会が続いていて予選の時は不安もありましたが、しっかりと走り切れました。決勝では前半はあまり伸びませんでしたが後半は力まず、いい走りをすることができました」と笑顔で語ってくれました。

 昨シーズンは怪我でほとんど走ることができなかった森下選手。今シーズン怪我をすることなく、大会で好成績を残せている要因について「怪我をしていた時は不安もありましたが、仲間が走っている姿や大会で良い成績を残している姿を見て、自分も負けてられないという気持ちでリハビリを頑張って乗り越えたことが成長につながった」とリハビリで苦しかった時期を振り返ってくれました。

 日本インカレの目標は「決勝の舞台で勝負すること」です。全国のライバルたちに負けないように練習を重ねていきたいと引き締まった表情で語ってくれました。自己ベスト更新に西日本インカレ優勝と昨シーズンの悔しさを晴らすかのように充実したシーズンを送っている森下選手。日本インカレでもノビのある走りで全国のライバル相手に躍動してくれることに期待がかかります。

 日本インカレは、9月19日~22日に等々力陸上競技場(神奈川県)にて行われます。今回取材した選手の他にも多くの実力者や注目選手がいる中京大学陸上競技部。アウェイの地で全国の強豪相手に戦う選手たちに注目です。

取材 学生広報スタッフ「ライト」

文・インタビュー・撮影

森下祐吉 (法学部4年)

上小牧空 (スポーツ科学部2年)

2024/08/06

  • 記事を共有