インカレ男子総合3位、女子総合3連覇を目指す!
水泳部/主将&監督インタビュー

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 6月中旬、水泳部主将の塩田羽登選手(4年)・神野ゆめ選手(4年)と草薙健太監督の3名に中京大学の水泳部について取材を行いました。水泳部はインカレまで80日を切り、ここから試合に向けて冬から作ってきた基礎をより質の高いものに上げていくことになります。男子総合3位、女子総合3連覇を目指す水泳部の練習やメンタル面、インカレへの意気込みなどをインタビューしました。

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【塩田羽登選手(4年)】

-今はどのような練習をされているのですか。

春前までは泳ぎこみなどでベースを作っていく時期になるが、今からは調子を上げていく練習やウエイトトレーニングをしています。

-ウエイトトレーニングは具体的にどのような事をしていますか。

ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどの基礎的な事から水泳の泳ぎに特化したような派生的な動きもします。

-主将として意識していることはありますか。

何でも自分でやりすぎないようにしています。それぞれに色々な考えがあると思うので、なるべく部員に考えてもらうことを大事にしています。

-水泳部というチームとして行っていることはありますか。

全国でも珍しい100名超える部員数と強豪校というところからルールやマナーの徹底をし、人間力の形成を大切にしています。

-いつ頃から背泳ぎを始められたのですか。

小学3年生ごろから背泳ぎを始めました。北島康介さん世代なので平泳ぎをやりたいなと思っていましたが、当時のコーチから助言を受けて背泳ぎを始めたところ意外と良かったので背泳ぎにしました。

-今の塩田選手自身の課題は何かありますか。

泳ぎの面でのスキルは付いてきたが、ターンの前後など局所の部分でまだまだ弱さが見られるのでそこのスキルアップが課題だと思います。

-大体の1日のスケジュールを教えてほしいです。

朝6時過ぎから朝練をして朝食を8時半ごろに取り終えた後、授業を受けます。その後3・4限後からまた練習をして各自で寮に帰ります。

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-寮ではどのようなリフレッシュ方法をしていますか。

友達の部屋に行き、話したり、ゲームをしたり、時には寝たりしています。(笑)

-メンタル面で個人としてもチームとしても頑張ってきたことはありますか。

自分自身としてはメンタル面で悩むことが多く、昨年の冬からイップスと診断されたり適応障害になったりと諦めそうになるときもあったけれど競技と向き合うことで克服できました。もし克服できなくてもプロセスがとても大切だったと思いました。

チームとしても日本で上位の選手やOBの方など経験のある選手や代表のコーチ、メンタル面のコーチなど様々な部分で頼れる人がたくさんいる環境が武器なのではと思います。

-競技人生を諦めてしまう選択肢もあったと思うが、何が後押ししてくれたのですか。

チームという存在が大きかったと思います。家族や高校までのチーム、水泳以外の友達など期待がプレッシャーになっていたが勝手にマイナスにしていたものをプラスであったと考え直すことができたのが大きかったです。

-最後にインカレに向けてメッセージお願いします。

男子総合3位、女子総合3連覇という目標に向けて全員がまとまって頑張っていくので応援していただけたら嬉しいなと思います!

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【神野ゆめ選手(4年)】

-今はどのような練習をされているのですか。

主に、技術面が練習できる室内の「短水路」(25mプール)とスタートや試合に近い形で練習ができる外の「長水路」(50mプール)を使ってチームごとに練習しています。

その他にも、室内のプールサイドにあるウエイトトレーニングや、泳ぎを横から確認できる流水プールも使っています。

-大体の1日のスケジュールを教えて欲しいです。

朝6時に来て、まずは水泳に必要な体幹を鍛えるトレーニングや可動域を広げるストレッチなど調子を整える時間を30分程とっています。

そこから8時半まで水中での練習を行い、足りないようであれば、流水プールや懸垂などのトレーニングをしています。

その後はアスリート食堂でご飯を食べて、講義に向かいます。

午後の練習では前半・後半組に別れて、朝と同じように調子を整えてから水中練習に入ります。

基本的に水中では2時間ほど練習をするのですが、試合が近いと自分で調子を整える「フリープラン」の時間も設けています。

-オフの日はどんなことをしていますか?

私は実家が近いので、家に帰って家族が最近始めたマルシェ販売のお手伝いをしています。(笑)

実家が遠くて帰れない部員は、部活のメンバーで食べ放題に行っていますね。

-水泳競技での食事トレーニングはどのように行っているのでしょうか。

水泳では増加・減少しやすい等、個人の体質に合わせた形をとっています。

基本的には朝・夜のアスリート食、昼は学食や自炊です。

水泳は消費カロリーが多いので、体重は維持出来るように心がけています。

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-好きなアスリート食堂のご飯はありますか。

なんだろう...(笑)

特に鶏飯が好きですね。

野菜や乳製品が食べられて栄養バランスが良い食事なので、毎日美味しいです!

-主将としてチームをまとめる時に意識していることはありますか。

人数が多いことは良くも悪くも捉えられるので、全体で動く時は試合を運営する方に挨拶をするなど、「当たり前のことを当たり前に出来る」ことを意識しています。

また自分の意見だけでなく、同期の意見を踏まえた上で行動しているため、月1回のミーティングを大事にしています。

ー選手と接する上で大事にしていることはありますか。

タイムが早い人や主将は声をかけづらいイメージなので、一人ひとりとコミュニケーションを取り、話しかけやすい雰囲気作りを意識しています。

ー最後にインカレに向けてメッセージをお願いします。

インカレは競泳が個人スポーツと言われる中で、数少ない「チームスポーツ」の感覚で行える試合です。1年生の時から「同期と総合優勝する」という想いを胸に練習を続けてきました。

コンマ1秒まで取り逃さないという意識をそれぞれが持っており、「全員が1点でも多く取り、2位と大差をつけて優勝を掴む。」これが中京の戦い方です。

女子総合3連覇、男子総合3位に向けてやるだけだと思っています。

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【草薙健太監督】

-今のチーム状況について教えてください。

日本大学選手権に向けてもう一度チームとしての強化ということを進めていっている状況です。男子総合3位、女子総合3連覇という目標に向けた基礎作りとして、チームの厚みを出すことを目的に、インカレに出場する3番手までの選手の層の厚さを重要視しトレーニングに励んでいる状況です。

-チームを強化する上で行っていることはありますか。

コーチ4名体制で種目と距離の特性等に配慮し、4チームに分けて強化を進めていますが、1週間に1度は2チームで合同練習を実施しています。合同練習による強化の目的は、お互いの成長を確認しつつ、選手同士で声をかけあえる状況を作るという狙いがあります。

-選手と接する中で大切にされていることはありますか。

選手に求めていることをコーチが行っていないということがないようにしています。トレーニングに対する取り組み姿勢やチームメイトへの接し方など、コーチが選手に求めていることをコーチ自身が示すことで、信頼関係は勿論のこと、お互いが成長し続ける相互関係を作れると考えているので、その点を大切に選手と接しています。

-水泳においてメンタル面の影響はどのくらいあるのですか。

個人差はありますが、水泳はクローズドスキルという外的な要因がないスポーツのため、自分に対して求めるものが高くなりやすい傾向があります。特に多いのは、選手自身が目標を高く設定しすぎることで、目標とすることが出来ない自分とのギャップ差による自己否定によりメンタルの安定性が崩れてしまうことが多いです。そのため、チャレンジすれば手が届く範囲と認識できる50%程度の確率で達成可能な適切な目標設定をするように話をすることが多いです。

-水泳部の監督以外の仕事について教えてください。

学業や就職、生活のマネジメントなど、競技におけるコーチング以外の仕事が大切です。水泳部は寮生活なので寮の管理もしており、選手の体調が悪くなったりすると病院に連れて行ったりもするため、監督として競技の指導をするのは一握りの側面であって、その他の様々な調整しているほうが多い仕事です。

-一番大変な仕事は何ですか。

水泳で最高の成績を収めることを目的に入部する学生の想いに応えるよう指導とサポートをすることは勿論ですが、様々な環境で過ごしてきた部員が価値観の相違がある中で協働生活を送るため、学業や人間関係の構築といった面で思うようにいかない部員に対するサポートは、とても重要である反面、多くの時間をかけることもあるので大変な仕事ではあると思います。お互いのことを尊重し合いながら自己成長できる環境創りは、終わりのない取り組みですが、部員が成長していく過程で見せる笑顔に大変さ以上の幸福感を感じます。

-インカレに向けてメッセージお願いします。

男子総合3位、女子総合3連覇という目標を掲げていますが、人生において100人という人が同じ目標に向けて寝食を共にしたり、思うようにいかない中でも日々創意工夫を重ねる日常こそが大切な時間であることを自覚したうえで、そのプロセスを大事にしてほしいと思います。このような経験含めて、結果を得るためにかけてきた時間が最終的に自分たちの生きる自信に代わると思うので、私自身もぶれずに選手に伝えていきたいと思います。

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男子総合3位・女子総合3連覇という目標を掲げてひたむきに泳ぎ続ける水泳部。

その目標を達成するには「寮での仲間との過ごし方」が重要なカギになるのかもしれません。

9月5日から8日に開催される第100回日本学生選手権水泳競技大会という記念すべき大会に向け、心をひとつに今日も練習に励んでいます。

取材 学生広報スタッフ「ライト」

文・写真:石井莉子(文学部3年)、大石和佳奈(経営学部3年)、新野由芽(スポーツ科学部4年)、手嶋美月(国際学部4年)

2024/06/15

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