総合政策学部溜和敏ゼミ 名古屋国際関係合同ゼミナール

20240109_Rtamari-2.jpg

 総合政策学部の溜ゼミ担当:溜和敏准教授の学生9人は12月16日、愛知県立大学・長久手キャンパスで開催された第45回名古屋国際関係合同ゼミナールに参加しました。同ゼミナールは「知・多様性 私たちはどう生きるか」をテーマとし、7大学から7つのゼミが参加しました。

 溜ゼミは「民主主義と貧困」をテーマに発表しました。民主主義が貧困解消に役立つというテーゼに関して、独裁政治ではあるが貧困率が低く所得格差も小さいベラルーシ、民主主義ではあるが貧困率が高い東ティモール、相対的に民主主義指数は高いが貧困と格差のはびこるボツワナという3ヶ国の反例を検討しました。その結果、必ずしも民主主義が実現していなくても、一定程度の貧困削減は可能であると結論しました。そのうえで、『自由の命運』ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソンの議論に依拠して、本格的な貧困解消のために必要な高度な経済発展の実現には質の高い民主主義が不可欠であることや、『貧乏人の経済学』アビジット・バナジー、エステル・デュフロの研究に基づいて、質の高い民主主義の実現のためには国家の政治体制のような大規模な制度の問題だけでなく現場レベルの小さな工夫も重要であるとの考察を付け加えました。

1.png

発表スライド

 各ゼミの発表後には活発な質疑応答が行われました。他大学の学生からの鋭い質問に対し、発表者が新たな学びを得るシーンがありました。また、終了後には懇親会が開催され、大学の枠を越えた交流が行われました。

20240109_Rtamari-1.jpg

溜ゼミの集合写真

学生のコメント

発表することの難しさ

 資料収集や作成など難しい部分もありましたが、以前よりゼミ活動を通して学んできた知識を踏まえながら、まとめることが出来ました。しかし、他大学と比較して、私たちの研究の詰めの甘さを感じました。発表資料だけでなく質疑応答にもうまく対応することが出来ず、悔いの残る発表になりました。今回の経験を活かし、自己の成長につなげていきたいです。

2年 上田 彩乃

刺激と反省

 初めての合同ゼミでしたが、非常に満足度が高いものでした。他大学との交流を通して、自分たちが考えもしなかった疑問や調査方法、洗練されたプレゼン等、大きな刺激を受けるとともに、自らの未熟さを改めて実感しました。我々の発表も他大学に引けを取らない物であったとは考えていますが、調査量の不足等、多くの反省点を認識しました。共に作り上げてくれた仲間に感謝します。

3年 熊田 幹太

新しい視点を得る

 普段のゼミ活動では思いつかない視点や、自分たちでは気付かない課題点を得ることができました。質疑応答の場面では、予想外の質問に答えることができず苦戦しました。しかし、1年間ゼミ活動で培ってきたものを発表することができたと感じています。また、他大学の発表を見て目の付け所や、スライドの仕上がりに刺激を受ける良い経験になりました。今回の合同ゼミで得た新しい視点や課題点を、今後の研究の材料として生かしていきたいです。

2年 小西 杏奈

今の自分を振り返って

 課題発見から発表内容を考えるのはとても難航しました。今までゼミの中で身に着けた知見を整理し、仲間と協力して納得できる発表ができました。しかし、他大学の発表を聞くと自分の研究不足や発表方法の拙さなどの反省点も実感しました。今回の合同ゼミで現時点の自分の成長と未熟さを理解することができ、参加することができてよかったと思います。この経験をこれからのゼミ活動に生かしていきたいです。

2年 小林 康天

新たに得た知識とつながり

 私は、今回の合同ゼミで実行委員を務めました。研究発表だけでなく、他大学との交流という点においても貴重な経験を得ることができました。自分たちの研究を通して、新しい知識を得ることができ、また、他大学の研究発表を聞く中で、現代世界の抱える問題点を知る機会になりました。自身の知識、考えを深めることができたと感じています。今回の経験を踏まえ、それらの問題点についての知見をさらに深めることや、他大学との交流で得たつながりを今後に活かしていきたいと考えています。

2年 佐々木 健登

貴重な体験

 一年生のときには、コロナウィルスの影響でオンライン講義が多く、今回のようなイベントは非常に新鮮な体験になりました。発表を通して他大学の学生さんと交流を深めたり、内容の完成度に刺激を受けたりと普段の講義にはない経験を得ました。今回の合同ゼミナールは、発表内容の企画から質疑応答まで、自身の様々な成長を感じました。この経験を今後の活動に活かしていきたいと思います。

2年 田中 武騎

合同ゼミから得た学び

 合同ゼミは私にとって初めての経験で、最初は上手くいくかどうか不安がありました。発表するにあたり、グループに分かれて準備を進めていましたが、なかなか思うように進まず、試行錯誤の繰り返しでした。しかし、メンバーと協力して、上手くまとめることができ、自信を持って発表することができました。他大学の発表を聞いて反省点も多々ありますが、今回の合同ゼミを活かし、今後のゼミ活動に取り組んでいきたいです。

2年 鳥居 小桃

成長と今後の課題

 私は大勢の前に立って話をすることが苦手なので、今回の合同ゼミに向けて入念に準備を進めてきました。様々な文献を参照して自分たちの主張を裏付けるデータを集め、発表時は声の大きさや話すスピードに気をつけて伝わりやすい発表になるように意識しました。しかし、他大学の学生に質問されたとき十分に受け答えができなかったため、今後は内容の理解をより深め、質疑応答にも自信を持って答えられるよう努力していきます。

2年 橋本 比奈

刺激と学び

 今回の合同ゼミでは、これまでのゼミ活動の中で初めて、他大学の方と関わる機会を持ち、多くの刺激と学びを得ることができました。準備の段階では、相手に伝わる発表を作ることを意識したことで自分自身の伝える力が向上したと感じています。当日、他大学の方の発表や質問を受け、自分たちにはなかった考え方や研究方法を学び、新たな視点を身につけることができました。合同ゼミで学んだ新たな視点や得た力を、今後のゼミ活動や卒業論文の執筆に活かしていきたいと思います。

3年 古井 佑季

参加大学・ゼミと発表テーマ発表順

中部大学・加々美ゼミ「現代奴隷と児童」

中京大学・溜ゼミ「民主主義と貧困」

広島大学・吉田ゼミ「中東で出稼ぎするフィリピン人家事労働者問題」

愛知県立大学・小池ゼミ「インクルーシブ教育の現状と課題~スウェーデン・日本・メキシコの比較を通じて~」

名古屋市立大学・平田ゼミ「関東大震災時の朝鮮人虐殺~差別から暴力へ~」

静岡大学・鈴木ゼミ「戦争とプロパガンダ~第二次世界大戦とディズニー~」

東北学院大学・三須ゼミ「ウクライナのネオナチ問題についての一考察」

2024/01/10

  • 記事を共有