総合政策学部が学術講演会を開催
小泉悠氏「ロシア・ウクライナ戦争と日本の安全保障」

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 総合政策学部は11月30日、名古屋キャンパス清明ホールで学術講演会を開催しました。今回のテーマは「ロシア・ウクライナ戦争と日本の安全保障~現在進行中の戦争とどう向き合うか~」です。東京大学先端科学技術研究センターで専任講師(当時。現在は准教授)を務める小泉悠氏を講師に招き、学生教職員合わせて約100人が参加しました。
 ロシア軍事を研究している小泉氏は「テロ、気候変動、人道支援、近年はコロナという新しい安全保障課題が入るなど、戦争は安全保障のワンオブゼムという位置づけになりました。しかし、ワンオブゼムであっても、戦争は死と破壊をもたらします。戦争というのは、見えにくくなったり一時的に起こりにくくなったりしますが、決して無くなりはしないものです。なぜなら、人間は肉体で成り立っており、暴力が究極の権力として機能してしまうのです。なぜ戦争を止められないのか、それは、核兵器を持っていることで簡単には手出しができなくなってしまうからです」とし、"安定不安定のパラドックス"を例に挙げました。そのうえで、小泉氏は「万が一の事態が発生した際に、日本はどういう国でいたいのかというビジョンに向けて、どのように対処するのかを考えることが重要です」と話しました。約60分にわたる講演に、参加者は集中し真剣な眼差しで聴き入っている様子でした。
 質疑応答の時間では「現在進行中の戦争がどのような形で収束するのか」などたくさんの質問があがり、小泉氏は丁寧に回答していました。

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安全保障について語る小泉氏

2023/12/12

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