心理学部髙橋教授 2020年度日本心理学会で国際賞奨励賞を受賞
心理学部の髙橋康介教授が2020年度日本心理学会の国際賞奨励賞を受賞した。
国際賞は特別賞、功労賞、奨励賞の3種類があり、国際的に優れた研究業績をあげ、心理学の発展に貢献した心理学者を評価し、日本の心理学の国際化を促進させることを目的としている。
髙橋教授は、これまで認知科学や知覚に関する研究で多くの成果をあげており、それらは英語論文32編(第1著者19編)として海外の主要雑誌に掲載されている。考案された錯視図形(「曲がり盲」など)は国内外の錯視コンテストで度々受賞するなど高い評価を受けており、このような多数の優れた業績が評価された。
【以下、髙橋教授のコメント】
このたび、これまで携わってきた錯視や知覚の研究を評価して頂き、国際賞奨励賞という大変名誉ある賞を賜りました。指導して頂いた先生方、一緒に研究してくれた方々、知覚研究を通して交流させてもらった方々、そして審査委員の先生方に深く感謝いたします。
モノを見るとはどういうことなのか。知覚の研究は心理学の中でも長い歴史を持つものです。最近になって、この歴史と伝統の重みを身にしみて感じるようになってきました。ヘルムホルツ、ギブソン、マー、ロック、名前を挙げるとキリがないのですが、こういった偉大な先人たちの洞察に圧倒されるとともに、先人たちが作り上げた巨人の肩の上に立てることを何より嬉しく思います。そして、これは歳のせいかもしれませんが、先人たちが残し与えてくれた公共の知にほんの少しでも新しい何かを書き込んで、再び公共の知として次の世代に遺していきたいとも考えるようになりました。施されたら施し返す。恩返しです。この思いを胸に、また優秀な中京大学の学生の皆さんを巻き込みながら、これからも錯視や知覚の研究にさらに邁進する所存です。