国際教養学部4年戸川琴貴さん 日本言語学会で研究発表

 国際教養学部4年生の戸川琴貴さん(坂本祐太ゼミ)が6月20、21日、日本言語学会第160回大会で研究発表を行った。

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研究発表動画の収録を行う戸川さん

 日本言語学会は、国内の言語学関連の学会では最も歴史ある学会で、毎年2回全国各地で大会が開催され、研究者・大学院生を中心に研究発表が行われている。戸川さんは、学部生ながら「ドイツ語の3人称中性代名詞esに関する研究:摘出の可能性の観点から」(坂本祐太・戸川琴貴)というタイトルで研究発表を行った。

 この研究は、ドイツ語の3人称中性代名詞esの文法的特性を、摘出と呼ばれる文法操作を通して明らかにすることを目的としている。具体的には、ドイツ語のネイティブスピーカーとのやり取りを通しながら先行研究で扱われていない構文(受動化構文や等位接続構文)と代名詞esからの摘出の相互作用を調査し、先行研究で提案されている理論的分析の問題点を指摘した上で、経験的事実に照らし合わせたより妥当と思われる理論的分析の提案を行った。

 研究発表は、本来早稲田大学にて開催予定であったが、コロナウィルスの影響でオンライン上でオンデマンド型(収録動画配信型)の発表となった。

 指導教員である国際教養学部(現在は教養教育研究院所属)の坂本祐太非常勤講師は「ゼミでは言語学の中でも最も辛抱強く理論的概念を理解しなければならない統語論と呼ばれる分野を扱っていますが、戸川さんは2年生の時からこれまで真摯に言語理論の習得に取り組んできました。また、戸川さんはドイツ語を第二外国語として1年次から集中的に履修しており、こちらに関しても辛抱強く勉強を続けています。今回の学会における研究発表は、国際教養学部の『高度な第二外国語の実践的運用能力の習得』『世界の言語の多様性と普遍性への深い認識』という教育目標を、ゼミの活動と語学の授業を通して、戸川さんの辛抱強さと学びへの真摯な態度が体現したものと言えます」と評価している。

2020/07/06

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