工学部橋本学研究室 「動的画像処理実利用化ワークショップ2020」で研究奨励賞を受賞

 工学部・橋本研究室に所属する小林大起さん(学部4年)ら4人による研究論文が3月9日、「動的画像処理実利用化ワークショップ2020」で研究奨励賞を受賞した。(受賞者:小林大起、中林尚也、三好遼、橋本学)

 論文名は「異状発生直前・直後のペア画像群を用いた高リアリティ画像生成に基づくキズ検出」。工業製品の異常検出を目的に、新たな手順でキズを検出する方法を示した。

 DIA(Dynamic Image processing for real Application)ワークショップは、マシンビジョン、コンピュータビジョン分野における画像処理の実利用に関わる研究の発表、討議、情報交換の場として、毎年日本各地で開催されている。今回は国立沖縄工業高等専門学校で開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、現地での開催が中止となった。しかし、学会による厳正なる論文審査は予定通り行われ、今回の受賞が正式に決定した。

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小林さん

【小林大起さんコメント】

 今回、私は工業製品の異状検出を目的として、深層学習(ディープラーニング)に基づく、新たなアプローチからキズを検出する手法を提案しました。昨年の夏からこのテーマで研究を続けてきましたが、今回の研究成果が出るまでに、何度もアルゴリズムを考え直し、多くの実験を積み重ねてきました。

 学会での成果発表は、研究室配属時からの目標だったので、結果として研究奨励賞をいただくことができて、とても嬉しく思っています。今回受賞できたのは、ご指導してくださった橋本教授、研究を進める上でさまざまなサポートをしてくださった先輩や、仲間たちのおかげです。今後も積極的に研究活動に励み、さらにたくさんの研究成果を出していきたいと思います。また、これまで以上に高度な知識や技術力を身につけていきたいと思います。

【橋本学教授コメント】

 この研究は、工業的価値が極めて高い外観検査分野に関するものです。ディープラーニングを利用した外観検査技術は数多く提案されてきましたが、異状発生前後の大量のペア画像を緻密で正確な実験によって取得してデータベース化し、それをもとに異状発生前の状況を再現するという画期的なアイデアにより、新しい方法論を目指した研究であり、その独創的なアプローチが評価されたと思います。小林さんはプログラミング能力も非常に高く、何事にも熱心で粘り強く取り組む姿勢を持っており、それが今回の受賞に結びついたのでしょう。今後はさらにこの研究を高め、国際学会などにも挑んでもらいたいと思います。

2020/04/28

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